最大可搬質量7kgの6軸垂直多関節小型ロボット、電機や食品業界向け:FAニュース
川崎重工業は、最大可搬質量7kgの6軸垂直多関節ロボット2機種「RS007N」「RS007L」を発表した。産業分野に加え、他業界でも高まっている可搬質量10kg以下の小型ロボット導入ニーズに、よりきめ細かく対応する。
川崎重工業は2017年9月26日、最大可搬質量7kgの6軸垂直多関節ロボット2機種「RS007N」「RS007L」を発表した。RS007Nは同年12月1日、RS007Lは同年10月1日から販売を開始。価格はそれぞれ265万円/275万円となる(いずれも税別)。
アーム構造や駆動系を見直すことで、最高速度と加速度を向上させた。また、負荷質量や姿勢に合わせて加速度を変更し、いつでも最適な性能を発揮できる。これにより、サイクルタイムを短縮する。
リーチ長は、RS007Nが730mm、RS007Lが930mm。上部アームを片持ち構造とすることで、最大リーチ長やロボット下方、背面、近傍の動作領域を拡大した。設置性能も高く、ビジョンケーブルやセンサーハーネス、エアー配管などをアームに内蔵できる。周辺装置との干渉を回避できるため、狭い空間内でも作業可能だ。床置き/天吊り設置にも対応するなど、柔軟な生産設備構築に貢献する。
また、モーターを全軸機内に配置し、コネクター部には防水コネクターを採用。防塵/防水性能を手首はIP67、基軸はIP65に高めた。
従来の産業分野に加え、電機・電子業界や食品業界でも小型ロボットの導入ニーズが高まっている。これを受けて、同社では可搬質量10kg以下の小型ロボットマーケットニーズによりきめ細かく対応できるよう、Rシリーズのラインアップを見直し、今回の2機種を追加した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- スマートファクトリーがいよいよ現実解へ、期待される「見える化」の先
ドイツのインダストリー4.0がきっかけとなり関心が高まった、IoTを活用したスマートファクトリー化への動きだが、2017年は現実的成果が期待される1年となりそうだ。既に多くの実証成果が発表されているが、2017年は、実導入ベースでの成功事例が生まれることが期待される。 - 機械は人の仕事を奪わない、“人とロボットがともに働く現場”が拡大へ
2016年は人工知能関連技術が大きな注目を集めて「機械が人間の仕事を奪う」という議論が大いに盛り上がりを見せた。こうした一方で2017年には「現場」において、こうした動きと逆行するように見える「人とロボットが協力して働く世界」が始まりを迎える。 - 「ヒト型ロボットは最適ではない」IEEEフェロー広瀬氏が語るロボット開発の方向性
ヒト型をしたロボットは強いインパクトを持つことから、ロボット=ヒト型というイメージを抱く人もいる。ただ、150体以上のロボットを製作し、現在もロボット開発の第一線に立つIEEEフェローの広瀬茂男氏は「ヒト型がロボットの将来ではない」とイメージ先行の未来に警鐘を鳴らす。 - いまさら聞けない産業用ロボット入門〔前編〕
日本は「ロボット大国」とも呼ばれていますが、その根幹を支えているのが「産業用ロボット」です。それは世界の産業用ロボット市場で圧倒的に日本企業がシェアを握っているからです。では、この産業用ロボットについてあなたはどれくらい知っていますか? 今やあらゆるモノの製造に欠かせない産業用ロボットの本質と基礎を解説します。 - 製造現場での普及を2倍に、ロボット新戦略が目指すロボットと共に働く未来
日本政府が主催する「ロボット革命実現会議」は、ロボット活用の技術的および規制面でのロードマップを示した「ロボット新戦略」を発表した。本稿では、この新戦略の中で示されている「モノづくり」分野への取り組みにフォーカスし、その内容を紹介する。 - 「第4次産業革命」に抵抗感? 調査で分かった日本の製造業の本音
IoTやAIなどを活用する「第4次産業革命」の動きが活発化している。しかし、国内外の企業を調査したアンケートでは、日本の製造業はこの革命に積極的な姿勢を見せているとは言い難い。いわば、第4次産業革命に対してやや及び腰になっているといえる。