未知の現象も代理モデル化して予測する設計空間探索ツール「pSeven」を販売開始:CAEニュース
SCSKは、設計空間探索プラットフォーム「pSeven」の提供を開始した。pSevenが設計データから生成した代理モデルをもとに、SCSKのシミュレーションソフトウェアを用いて解析すれば、開発のリードタイムを大幅に短縮できる。
SCSKは2017年9月、ロシアのDATADVANCEと販売代理店契約を締結し、設計空間探索プラットフォーム「pSeven(ピーセブン)」の提供を開始した。最小構成の年間ライセンス料は350万円(税別)からで、SCSKが取り扱うシミュレーションソフトウェアやノウハウと共に提供する。今後3年間で売上高10億円を目指す。
pSevenは、設計データから「サロゲートモデル(シミュレーションの代理モデル)」(※)を生成する設計空間探索プラットフォームだ。
pSevenが生成したサロゲートモデルをもとに、SCSKのシミュレーションソフトウェアを用いて解析すれば、開発のリードタイムを大幅に短縮できる。実験や経験則に基づくデータがあれば、最新の科学技術でも解明されていない困難な現象もサロゲートモデルから予測できる。
pSevenでは可視化機能により、実験計画法/感度解析/次元縮退/不確実性の定量化分析といったモデル分析が可能だ。データの種類は問わない。また、手法を自動的に選択する最適化アルゴリズムを搭載。単一/多目的最適化(ロバスト最適化)の問題や、微分なし/勾配降下/サロゲート/ロバストの最適化手法に対応する。
さらに、近似手法、データ融合機能、モデル探索/検証/変換機能により、データから近似モデルを生成して、新設計の応答値を求める。プロセス自動化機能では、CAD/CAEと接続しエンジニアリングデータの再利用や収集、管理を実施する。他に、一般的な商用CAD/CAEダイレクトインタフェース機能も備えている。
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