エッジコンピューティング対応産業用コントローラーのハイブリッドモデル:FAニュース
日立産機システムは、IoT対応産業用コントローラー「HXハイブリッド」を発表した。エッジコンピューティングに対応し、IoTによって得られる現場情報の分析/解析結果をリアルタイムでシステム制御に活用できる。
日立産機システムは2017年9月19日、IoT(モノのインターネット)対応産業用コントローラーのミドルレンジ機「HX」シリーズに、ハイブリッドモデル「HXハイブリッド」を追加すると発表した。
HXハイブリッドは、制御プログラムと情報処理プログラムを同時に使用できる。製造現場でIoTによって得られる情報の分析・解析結果を、リアルタイムでシステム制御に活用できる。情報処理プログラムで制御プログラムとデータを共有することで、現場データの加工が容易になり、オンプレミスでの見える化や各種分析基盤への展開が可能になる。
例えば、製造現場にある設備機器の故障予知や予防保全管理を情報処理プログラムで作成し、クラウドを介さずに実行できる。リアルタイムに設備機器の状態を把握してデータを整理、加工し、各種クラウドサービスや分析基盤に適用可能なフォーマットに補正することで通信の負荷を軽減する。
また、情報処理プログラムの開発や変更、デバッギングなどを制御プログラムに影響を与えず実施する。稼働中の設備に情報処理プログラムを実装して動作確認を行う場合でも、容易なシステム改修が可能だ。さらに、「Eclipse CDT」をベースとした情報処理プログラム統合開発環境を提供する。制御プログラム実行と同時に情報処理プログラムや上位システムへの通信を1台のコントローラーで対応するなど、安価で使いやすいシステム構築ができる。
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