キヤノンが宮崎県に新たなデジカメ生産拠点を建設、自動化技術をさらに強化:工場ニュース
キヤノンは宮崎県児湯郡高鍋町にデジタルカメラの新たな生産拠点を建設することを決定した。操業開始は2019年8月を予定する。
キヤノンと宮崎キヤノンは2017年9月8日、宮崎県児湯郡高鍋町にデジタルカメラの新たな生産拠点を設立することを決定したと発表した。
キヤノンでは2016年度からの新5カ年計画「グローバル優良企業グループ構想フェーズV」を推進しており新規事業の育成に取り組む一方で、現行事業の再強化に取り組む方針を示している。
この中で、デジタルカメラ事業における生産技術の強化も推進。市場変動による需要の変化に即座に対応できるように、開発と生産間の相互連携を強化しながら、自動化の強力な推進などの取り組みを推進してきた。これらの取り組みをさらに加速させるため、新たに宮崎県児湯郡高鍋町に宮崎キヤノンの新しい生産拠点を建設することを決めた。
新工場は敷地面積が約27万m2で、延床面積が約5万4900m2、投資額や約230億円で2019年8月の操業開始予定としている。キヤノンは引き続き、同じ九州にあるデジタルカメラ生産拠点である大分キヤノン、長崎キヤノンとも連携し、最適な生産体制を構築を推進する方針である。
キヤノンではデジタルカメラの生産自動化への取り組みとして、2000年代後半から人間の能力を拡張しセル生産の補助を機械で行う「マンマシンセル」の導入を推進。さらに、これを発展させ、2018年をめどに生産の完全自動化を目指す取り組みを進めている。九州地域のカメラ生産拠点である、大分、長崎、宮崎で自動化ラインの適用を進める計画としており、新工場でもこの自動化生産ラインが導入される見込みである。
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