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日本の製造業はソフト指向が進まずデータ利活用も遅れ、それでも5年後は大丈夫:製造業IoT(2/2 ページ)
ジェムアルトは、日本を含めた世界300社の製造業を対象に行った調査「ソフトウェアがもたらすハードウェアルネッサンス」の結果を説明。「日本の製造業は、世界に比べてソフトウェア指向への転換の進み具合は低く、データの利活用も遅れている。しかし、将来に向けた意気込みは高い」(同社)という。
日本の製造業は5年後に世界よりもデータ利活用で進んでいる?
「データ利活用」のうち「データ利活用の状況―現在と5年後の比較」では、現時点において、世界全体に比べて日本のデータ利活用が進んでいないことが浮き彫りになった。その一方で、5年後については、日本は世界全体よりもデータ利活用が進んでいる将来像を描いている。「データ利活用に対して積極的に取り組もうとしているともいえるし、世界全体と比べて将来像に対して楽観的ともいえる」(ショーハム氏)。
「データ利活用への認識」では、世界全体、日本とも「ハードウェア指向のビジネスでは取り残される」など、データ利活用を重視している傾向は同じだった。
IoTのビジネス効果
「IoTのビジネス効果」のうち「IoTの導入効果」では、世界全体の1位が「アップグレードが自動化できる」だったのに対して、日本の1位は「利用状況分析ができる」だった。なお、2位は「リモートサポートが実現できる」で共通している。
「IoTに組み込む機能」では、全ての項目で「実装済み」もしくは「1年以内に実装予定」という回答が80%前後となった。
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