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血液を採取せず指先からAGEsの体内蓄積レベルを測定できるセンサー:医療機器ニュース
シャープライフサイエンスは、指先を挿入するだけで、老化物質の1つ「AGEs」の体内蓄積レベルを測定できるAGEsセンサー「RQ-AG01J」を発売した。血液を採取することなく、30〜60秒で測定できる。
シャープライフサイエンスは2017年8月4日、指先を挿入するだけで、老化物質の1つ「AGEs(エージーイー:最終糖化産物)」の体内蓄積レベルを測定できるAGEsセンサー「RQ-AG01J」を発売した。血液を採取することなく、30〜60秒の短時間で測定できる。
RQ-AG01Jは、測定部に左手中指の先を挿入するだけで、AGEsの蓄積レベルを測定できる。AGEsの一部は光を当てると発光する特性を持つが、これを利用して指先に近紫外光を照射し、体内のAGEsが発した光の量を測定/解析することで蓄積レベルを算出する。測定したAGEs蓄積量はスコア化し、A〜Eの5段階評価で表示する他、同世代と相対比較した順位(1〜100位)を目安として示す。
タブレット、感熱紙プリンタ、QRコードリーダーで構成され、いずれも本体に付属する。今後、調剤薬局や美容サロン、コンビニエンスストアなどへの設置を提案し、来店者が手軽に測定できる環境を広げていく予定だ。
AGEsは、糖とタンパク質が結合して生成される。生活習慣の乱れで体内の糖が過剰になるとAGEsの生成が加速され、血管や骨、皮膚など、さまざまな組織に蓄積する。老化に関与するといわれることから、健康状態を表す新しい指標としても注目されている。
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