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採血が不要な遠赤外線を用いた血糖値測定法を開発医療機器ニュース

東北大学は、遠赤外線を用いて、無侵襲で血糖値を測定する手法を開発したと発表した。遠赤外線を照射するためのプリズムを中空光ファイバーの先端に取り付けた装置により、血中のグルコースの正確な検出を可能にした。

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 東北大学は2016年2月2日、遠赤外線を用いて、無侵襲で血糖値を測定する手法を開発したと発表した。採血をせず、人体に無害な遠赤外線を照射するだけで血糖値測定が可能になるもので、同大学大学院医工学研究科・工学研究科の松浦祐司教授の研究グループにより、開発された。

 糖尿病では、患者自身による日常的な血糖測定が必要とされる。その測定では、指先から少量の血液を採取するため、身体的苦痛や感染症の危険性を伴っていた。そのため、グルコースに強く吸収される波長10μ付近の遠赤外線を利用した測定方法が検討されてきたが、遠赤外線は皮膚の表面で吸収されてしまうため、正確な血糖値測定は困難だった。

 同研究グループでは、遠赤外線を照射するためのプリズムを柔軟な中空光ファイバーの先端に取り付けた新しい装置を開発。同プリズムを、皮膚のような厚い角質がない唇の内側の粘膜に触れさせて遠赤外線を当てることで、血中のグルコースの正確な検出を可能にした。

 現状では測定誤差が20%以内と、臨床での利用に十分な精度が得られているという。さらに、近年開発が進んでいる遠赤外線レーザーを光源として用いることで、小型化・低コスト化が可能になるため、より広範囲な普及が期待されるという。

 研究グループでは今後、病院のベッドサイドでの血糖値モニタリング装置や、小型・低価格なヘルスケア機器などにより、同手法の実用化を目指すとしている。

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