油圧ショベルなどの建設機械を遠隔操縦できる人型ロボットを開発:ロボット開発ニュース
カナモト、アスラテックなど4社は、建設機械を操縦できる人型ロボット「DOKA ROBO 3」を開発した。油圧ショベルなどの建設機械の運転席に設置してオペレーターが遠隔操作することで、機械の操縦が可能になる。
カナモト、KGフローテクノ、富士建、アスラテックの4社は2017年7月21日、建設機械を操縦できる人型ロボット「DOKA ROBO 3(ドカロボ スリー)」を共同開発したと発表した。油圧ショベルなどの建設機械の運転席に設置し、オペレーターが遠隔操作することで、機械の操縦が可能になる。
建設機械の遠隔操縦は、従来は建設機械そのものを改造する方法が一般的だった。DOKA ROBO 3では、運転席にロボットを設置するだけで建設機械を遠隔操縦できる。運転席への設置は約1時間、撤去は約30分と短時間で遠隔操縦化が可能。約10kgの上半身と8kgの下半身に分割して持ち運ぶことができ、特別な器具なしで組み立てて設置できる。
動力源は建設機械のバッテリーを使用。オペレーターの操作端末とDOKA ROBO 3をつなぐ無線環境は、特定小電力無線や無線LANに加え、移動通信網などの公衆回線にも対応し、距離の制限なく遠隔操作が可能だ。
建設機械のコックピットの形をした搭乗型の専用コントローラーも用意。オペレーターが搭乗し、DOKA ROBO 3のカメラ映像を見ながら、実際の建設機械に乗っている感覚で遠隔操縦できる。制御ソフトウェアには、アスラテックが開発したロボット制御システム「V-Sido(ブシドー)」を採用した。
搭乗型のコントローラー以外にも、オペレーターの首の動きに合わせてロボットの首を動かせるヘッドマウントディスプレイ、小型のプロポ型コントローラーなどが利用できる。将来的にはブルドーザー、キャリー、クレーンなどの建設機械にも対応予定だという。
同ロボットを使用することで、災害時の危険地域など人が入っていけない場所でも建設機械を動かすことができる。また、マシンコントロール搭載機に使用すれば、設計データ通りの施工が可能だ。同ロボットは今後、国土交通省の「新技術情報提供システム」への登録を予定している。
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