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「開発期間3分の1」「年産100万足」、アディダスが選んだ3Dプリンタとは3Dプリンタ インタビュー(2/2 ページ)

アディダスが発売するユニークな高性能ランニングシューズ「Futurecraft 4D」は、開発段階だけでなく量産にも3Dプリンタを活用する。年産100万足を支える3Dプリンタ技術について、開発したベンチャー企業に聞いた。

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材料技術だけでは実現しない、量産3Dプリント

Futurecraft 4Dのソール部分
Futurecraft 4Dのソール部分(クリックして拡大)

 アディダスのFuturecraft 4Dの生産拡大を支えるのもソフトウェアの進化だとKelly氏は語った。従来は90分かかっていた造形を30分前後まで短縮する計画で、材料の改良も寄与するが、最もリードタイム短縮に効いているのがソフトウェアの進化だとしている。従来の積層造形であれば、出力に12〜15時間を要していた。

 そのため、クラウドベースでのソフトウェアアップデートや利用状況のモニターなどカスタマーサポートも提供していく。プリンタのセンサーがドアの開閉から出力の状態までさまざまな情報がカーボンにフィードバックされることにより、従来の設備投資型の射出成型機よりも迅速かつ柔軟に顧客サポートが可能になるとしている。複数の拠点での出力した部品のトレーサビリティーの確保や品質管理を可能にし、稼働率の向上も支援する。材料の在庫もリアルタイムに管理可能だ。

 Kelly氏はMONOistの取材に対して、Futurecraft 4Dのソール部の他、カーボンの3Dプリンタで出力したサンプルを披露した。出力精度を生かしたコネクタや、株主でもあるBMWのMINIブランド向けのカスタマイズ用ネームプレート、自転車のハンドルの持ち手部分、ヘッドフォンのクッションなどがあった。通気性やクッション性などを確保しながら、従来よりも使用する素材の量を減らすことも可能になるという。

出力のサンプル。精度が求められる部品にも対応する(クリックして拡大)
BMW MINI向けのネームプレート(左)自転車のハンドル(右)(クリックして拡大)

 カーボンは3Dプリンタを製造・販売するだけでなく、共同開発や材料選定のサポートも実施する。「射出成型でできることの概念から脱却すれば、さまざまな可能性を試すことができる」(Kelly氏)と、カーボンの技術を使った新たな部品の開発に期待を寄せた。

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