ニュース
リアルタイム通信エンジンを複数人参加型のCAD/VRシステムに採用:VRニュース
モノビットは、同社のリアルタイム通信エンジン「モノビットエンジン」を、平田機工が自社の複数人参加型CAD/VRシステムに採用したと発表した。各拠点や遠隔地をネットワークで結び、複数人数によるリアルタイム通信が可能になった。
モノビットは2017年7月12日、同社のリアルタイム通信エンジン「モノビットエンジン」を、平田機工が自社の複数人参加型CAD/VRシステムに採用したと発表した。
今回、平田機工では、クライアントプログラムだけでマルチプレイゲームを実装できるUnity専用の無料アセット「Monobit Unity Networking 2.0」と、VR空間内で複数人による物理同期やボイスチャットを実装できる「VR Voice Chat」を採用。各拠点や海外を含む遠隔地をネットワークで結び、複数人数によるリアルタイム通信を可能にした。同システムでは、VR空間内で3D CADデータを実物のように扱ったり、ネットワークを通じたボイスチャットなどが行える。
平田機工は、3D CADモデルからVRコンテンツ作成までを自社で行い、営業や打ち合わせで活用していた。同社はこれまで、世界中の工場の生産ラインを要望に合わせてつくるため、顧客との打ち合わせや新しい提案などに多くの時間を費やしていた。
新たにVR技術を導入することで、仮想空間内で装置間の干渉の有無やメンテナンスなどを検証可能になり、顧客との間の確認作業を削減できるという。また、複数人が同じ空間の中で検証できるため、作業効率の向上が期待できるとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 3D CADで作った3Dデータを生かし切るVRとARの進化
AI(人工知能)と同じく2016年にブームを迎えたVR(仮想現実)。2017年以降、このVRが、製造業や建設業の設計開発プロセスに大きな変化を与えそうだ。AR(拡張現実)についても、「デジタルツイン」をキーワードに3D CADで作成した3Dデータの活用が進む可能性が高い。 - 「VR=仮想現実感」は誤訳!? VRの定義、「製造業VR」の現状と課題
製造業VR開発最前線 前編では、VRやAR、MRの概要、製造業向けVRの他の分野のVRとは異なる特徴、これまでの状況などを説明する。 - 3D CAD用のVRシステムは「事前変換方式」と「変換不要方式」どちらが良いのか?
本連載では産業全体のVRの動向や将来展望について深堀りして解説していきます。今回は、3D CAD用のVRシステムにおける、「事前変換方式」と「変換不要方式」について説明します。併せて、前回記事公開後の、産業VR関連の動向についても紹介します。 - ShadeがPC-98時代からの30年で初のCAD機能、VR向けレンダリングにも対応
3D CGソフトの「Shade3D」に3D CAD機能が実装された。従来のポリゴンの環境に合わせ、NURBSの機能を追加した形だ。VR表示用の画像や動画も簡単に作成できるという。 - 時代はバーチャル! モノづくりの形を変えるVR
設計プロセスでのVR(Virtual Reality)技術の活用は着々と進んでいる。リアルなイメージを試作前に作成、活用することによる効果は思いの他大きいという。