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ミリ波レーダー対応の自動車エンブレムに新しい成膜技術、製造コストを半減:材料技術
JCUと島津製作所、きもとの3社は、ミリ波レーダーを搭載する自動車のエンブレム向けに、コストを半減する電磁波透過膜の成膜技術を開発した。
JCUと島津製作所、きもとは2017年7月24日、ミリ波レーダーを搭載する自動車のエンブレム向けに、コストを半減する電磁波透過膜の成膜技術を開発したと発表した。
従来は希少金属のインジウムを蒸着させて成膜していたが、コストや歩留まりが課題となっていた。開発技術では特殊な塗料の有機膜の下地にクロムで被膜する。周波数76GHz帯と今後実用化が見込まれる79GHz帯に対応しており、従来と同等の電磁波減衰率を実現したという。
海外企業が開発したインジウム蒸着手法が主流となっていることに対抗し、日本企業3社と関東学院大学 材料・表面工学研究所で共同開発した。自動車のエンブレムを始めとするさまざまな分野に開発技術を展開していく。
ひび割れによって電磁波を透過
ミリ波レーダーは車体正面のエンブレムの内側に設置されるケースが多く、電磁波を透過する必要がある。インジウムの特性上、成膜が難しいのが課題となっていた。
開発技術は、素材の表面に特殊な塗料を使用して有機膜の下地層を形成し、スパッタリングと呼ばれる方法で下地層の上からクロムで被膜する。次に加熱して、有機膜とクロム被膜の熱膨張率の違いから発生する応力差を利用して、クロムの被膜に微細なひび割れをつくる。このひび割れによって電磁波を透過させる。
塗料による有機膜の形成は、きもとと関東学院大学が開発した。塗料の塗布やクロムスパッタリングは島津製作所の装置と技術を活用している。
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