Fusion 360で作ったデータをクラウドでVRデータ化、皆で共有:DMS2017
オートデスクは「第28回 設計・製造ソリューション展(DMS2017)」(2017年6月21〜23日、東京ビッグサイト)において、「AR CAD Cloud」を展示し、体験スペースも設けた。
オートデスクは「第28回 設計・製造ソリューション展(DMS2017)」(2017年6月21〜23日、東京ビッグサイト)において、同社の3D設計システムである「Autodesk Fusion 360(Fusion 360)」と「Autodesk Inventor」を展示して紹介した。
これまで同社製品群ではAR(拡張現実)/VR(仮想現実)対応に力を入れてきた。今回も、その取り組みの中の1つである、Fusion 360を利用したARシステム「AR CAD Cloud」を展示。パートナーのソフトバンク コマース&サービスと共に紹介した。
AR CAD Cloudは、その名の通りクラウドサービスを経由するシステムで、Fusion 360で作成した3DデータをMicrosoft Azureによるクラウドシステムへアップロードし、「Unity CAD Importer」によってデータを自動で最適化処理した上、AR/VRのHMD「Microsoft HoloLens」と連動するアプリ内にダウンロードさせる。従来は高級な仕組みの上で成り立っていた3DデータのAR/VRだが、こちらは廉価な仕組みで構成していることも特長だ。
HMD越しに現実の風景が見えているAR空間に、Fusion360で作成した3Dデータを表示させることが可能だ。3Dデータは位置が固定されるため、さまざまな角度から眺められる。また、表示させた3Dモデルを複数人数でシェアしながらレビューすることもできる。システムがクラウドベースであるため、遠隔地にいる人ともデータ共有しながら議論できる。
HMDを掛けると展示コーナーの中に3Dデータが出現する。頭を動かせば、見える方向に変化がある。3Dモデルに頭を突っ込むと、断面を切るような形で内部部品が見える。
2Dの画面で3Dデータを眺めていても視覚に限界がある。立体視ができることで2Dの画面よりも細部が眺めやすくなるとともに、複数人数で共有できることでデザインレビューの効率化も図れるとしている。
同社では2017年7月26日にIoTと最適化をテーマとした『「最適化設計から IoT までこれからの設計に必要なことを学ぶ」セミナー』も都内で開催する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「Design」「Make」「Use」が融合する時代、設計者の役割も変わる?
「Autodesk University Japan 2016」の基調講演に、オートデスク米国本社のスティーブ・ブラム氏が登壇。これまで異なるものとして別々に管理されていた「Design」「Make」「Use」という3つのプロセスが融合しつつあり、その代表的な事例の数々を紹介した。 - 3D CADで作った3Dデータを生かし切るVRとARの進化
AI(人工知能)と同じく2016年にブームを迎えたVR(仮想現実)。2017年以降、このVRが、製造業や建設業の設計開発プロセスに大きな変化を与えそうだ。AR(拡張現実)についても、「デジタルツイン」をキーワードに3D CADで作成した3Dデータの活用が進む可能性が高い。 - ワクワクを活力に伸びるVR市場、ところでVRとARとMRは何が違うの?
デル 最高技術責任者 黒田晴彦氏がVRのこれまでの歴史や現状の技術、今後予想できる動きについて、同社主催イベントで語った。VRとARとMRの定義の違い、活用方法の違いについても説明した。 - 設計や製造でVRを使いこなせ、オートデスクが4種の体験型デモでアピール
Autodesk(オートデスク)は、ユーザーイベント「Autodesk University 2016」の展示会場で、製品設計や製造プロセスといったエンジニアリングにVR(仮想現実)を生かすための体験型デモンストレーションを実施した。 - 建築に製造業や映像産業の成功パターンを持ちこむオートデスク
オートデスクは建築・土木向けインフラ分野の事業説明会を開催。建築業にもテクノロジーによる「つながりの時代」が来ているとし、製造業や映像産業などでのノウハウを生かし、建築産業の業務プロセス改革を支援していく方針を示した。