工場がサイバー攻撃で壊滅的打撃を受ける日
工場でのIoT(モノのインターネット)活用が広がりを見せる一方で、懸念が高まっているのが、セキュリティの問題です。IoTはバラ色の未来のようにも捉えられていますが、一方で従来つながっていなかった機器が「つながる」状況は、サイバー攻撃によるセキュリティリスクを高めていることになります。本来はIoT化を進めるとともにセキュリティ対策を施し、同時に高めていくことが望ましいのですが、日本の工場では「根拠のない楽観ムード」が支配的で、危機意識を持って対応を進めている企業とそうでない企業に大きな乖離が生まれている状況となっています。
こうした中でついに大手企業の工場停止という事件が起こりました。ホンダの狭山工場がランサムウェアの攻撃により停止したのです。
※)関連記事:ホンダの工場がランサムウェアの被害に、狙われたのは生産ライン制御のPC
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