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エアバッグリコールのタカタ、ついに民事再生法を申請安全システム

エアバッグのリコール問題で揺れるタカタは臨時取締役会において、民事再生手続きを行うことを決め、手続きを開始した。経営再建については中国企業傘下の米国KSSの出資において行う。

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 リコール問題で揺れていたエアバッグ大手のタカタは2017年6月26日、民事再生手続きを開始することを臨時取締役会議で決定し、東京地方裁判所に申し立てを行った。同時に連結子会社であるタカタ九州およびタカタサービスも民事再生手続きの申し立てを行う。米国子会社であるTK Holdings(TKホールディングス)を含む海外子会社12社についても、米国連邦倒産法第11章(チャプター11、日本の民事再生法に当たる)に基づく手続きを開始することを決め、米国デラウェア州連邦破産裁判所に申し立てを行った。

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タカタ 代表取締役会長兼社長の高田重久氏

 タカタのエアバッグリコール問題は2007年頃から指摘され始めた。タカタグループが製造したエアバッグについて、膨張ガスを発生させてエアバッグを展開させる部品であるインフレータ関連の不具合が判明。破裂したインフレータの金属片による死亡事故などが生じるなど、大きく問題視され始めた。タカタ自身はインフレータを製造しているわけではないが、仕入れたインフレータでエアバッグを製造し、日系自動車メーカーに販売していることから、自動車メーカーが行うリコールの責任を問われる形となった。

 そのため、自動車メーカーのリコール費用の一定割合が、タカタグループの債務になり得ることから信用収縮の動きが生まれた。さらに、米国運輸省道路交通安全局に対する7000万ドルの民事制裁金、自動車メーカーへの報告不備についての罰金2500万ドル、被害者の損害補償のための1億2500万ドルの補償基金拠出義務、自動車メーカーの損害補償のための8億5000万ドルの補償基金拠出義務など、多額の債務が発生。また、損害賠償訴訟などが多数起こされており、訴訟の結果次第ではさらに債務金額が増える可能性も生まれ、債務総額が読めない状況に陥った。

 同社は経営再建に向けて2016年2月に外部専門家委員会を組織していたが、これらの状況を受け、単独での再建が難しいことを指摘。「民事再生法を活用した再建が適当」との意見から今回、民事再生法を申請することを決めたという。負債総額は2017年3月末時点で約3800億円だが、自動車メーカーなどが肩代わりしている負債などを加えると実質的には1兆円を超えると見られている。

 再建については、同委員会が推薦した米国Key Safety Systems(キー・セイフティー・システムズ、以下KSS)にタカタの主要事業を1750億円で譲渡することで行う。主要自動車メーカーからの資金繰り支援と三井住友銀行から250億円を上限とするDIPファイナンスなども獲得する。

 KSSは米国ミシガン州に本社を置く、自動車用部品メーカーで安全技術関連に強みを持つ企業だ。ただ、KSSは2016年2月に中国の寧波均勝電子(Ningbo Joyson Electronic)が買収しており、タカタも実質的には中国資本での再建を目指す形となる。タカタとKSSとの間ではデューデリジェンス(資産価値の測定)が完了している状況で、事業譲渡完了は2018年の第1四半期を予定しているという。

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