ShadeがPC-98時代からの30年で初のCAD機能、VR向けレンダリングにも対応:CADニュース(2/2 ページ)
3D CGソフトの「Shade3D」に3D CAD機能が実装された。従来のポリゴンの環境に合わせ、NURBSの機能を追加した形だ。VR表示用の画像や動画も簡単に作成できるという。
「1985年の最初のバージョンの開発当初より、既存顧客のニーズやその時々の新技術の導入を最優先事項としてバージョンアップを進めてきた。今回のバージョンアップについても、『定規やコンパスを使って正確な形状を作成できるようにして欲しい』という顧客要望に応えた結果」とShade3D 代表取締役 笹渕正直氏は述べた。
従来のShade 3Dは一般的な3D CGソフトウェアと同様に角度や長さなど寸法値を入力して定義しながらのモデリングはできなかった。Shade3D ver.17は従来の3D CGモードに、NURBS(非一様有理Bスプライン)が扱える3D CADモードを追加。2つのモデリングモードを行き来しながら、CGとソリッドが混ざったデータを同じ環境で編集できる。
3D CADでは当たり前だが、3D CGではできなかったR寸法を指定しての円弧作画や、円の外接線を引くことなどができるようになった。NURBSによって寸法やスケールの概念が加わったことで、寸法の他、重心や表面積、体積の計測も可能だ。
同製品はNURBSとしての情報を保持、利用して編集作業しており、ポリゴンデータとは異なる処理系統になっている。同製品のNURBS(同社定義はソリッドデータ)は、現行データにNURBS要素を持たせたものではなく、完全に独立したNURBSのデータ形式を追加した形だ。よってNURBSからポリゴンへの変換はできるが、ポリゴンからNURBSへの変換はできない。
同製品の対応データ形式は以下の通りで、CADモードが加わったことによる変更はない。
入力
- 全グレード:STL、FBX、DXF、Wavefront OBJ(OBJ)、EPSF(EPS、AI)、SketchUp(SKP)、AVI、BMP、EXR、GIF、HDR、JPG、MOV、Photoshop(PSD)、PFM、PNG、TGA、TIF、PoserFusion 2(PZ3、PZZ)、WAV、AU、AIF、AIFF
- Standard Professionalのみ:IGES
- Professionalのみ:3ds Max(3DS)、Lightwave 3D (LWO)、BVH、COLLADA(DAE)
出力
- 全グレード:STL、FBX、DXF、Wavefront OBJ(OBJ)、COLLADA(DAE)、QTVR、AVI、BMP、EXR、GIF、HDR、JPG、MPO、MOV、PFM、PNG、TGA、TIF、iClone(FBX)、SecondLife(TXT)、BlueMars(DAE)、WAV、AU、AIF、AIFF
- Standard Professionalのみ:DirectX(X)、VRML2.0(WRL)、Flash(SWF)、Photoshop(PSD)、Adobe Illustrator(AI)、IGES
- Professionalのみ:3ds Max(3DS)、Lightwave 3D (LWO)、Piranesi Epix(EPX)、Adobe Illustrator AI(トゥーンレンダリング)、Adobe Flash SWF(トゥーンレンダリング)
将来的には機構設計もできるような機能実装も目指すとのことだ。また2D CADユーザーやCAD未体験の人など、3D CADのスキルをこれから身に付けたい人も新規で狙う。
なお今回、「CAD」としての機能を定義するにあたり、「3次元CAD利用技術者試験準1級の実技試験」(コンピュータ教育振興協会主催)の推奨ソフトウェアの条件を満たすよう開発してきた。実際に、同検定(準一級の実技試験)の推奨ソフトウェアとして採用された。
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