遠隔地で医療研修を受講できるソリューションを提供開始:医療機器ニュース
日立産業制御ソリューションズは、「医療研修基盤提供ソリューション」の提供を開始した。クラウドを活用し、医療研修環境がない遠隔地に居ながら、研修に参加できる環境を構築する。
日立産業制御ソリューションズは2017年5月22日、医療研修環境がない遠隔地でも、医療研修を受講できる環境を構築する「医療研修基盤提供ソリューション」の提供を開始した。本体ソリューション料は月額22万円から、初期導入費は個別見積もりとなる。2018年度に3億円の販売を目指す。
同ソリューションは、医療研修センター内に設置した複数台のカメラ、生体情報モニター、プロジェクター、電子黒板などの機器を統合管理。SaaS型医療研修基盤クラウドとして日本マイクロソフトのクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」上に構築した各種機能(実習映像、ライブ配信、ビデオ会議など)と連携させる。これにより、研修センターで実施される医療研修を、遠隔地に居ながら意見交換できるアクティブラーニング形式で受講可能な環境を構築する。
クラウドを活用することで、受講者は時間や場所の制約を受けることなく、患者急変対応などの臨床実習の研修を遠隔地から受講できる。また、研修センターで受講した内容を記録映像としてクラウド上にアップしておけば、受講者が遠隔地の職場に戻った後、その実習映像を閲覧し、自身の振り返りや職場での知識共有に活用できる。
近年、地域による医療従事者の臨床技術格差が広がっており、均一な医療学習や臨床技術のトレーニングができる環境の整備が求められている。加えて、医療機関のJCI(国際医療機能評価機関)認証取得や医療教育機関のグローバルスタンダード化などを背景に、臨床技術トレーニングの重要性に注目が集まっている。
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 4K超高精細映像伝送による血管内治療の遠隔指導システムを共同研究
EIZOは、金沢大学およびPFUビジネスフォアランナーと、4K超高精細映像伝送による血管内治療・遠隔指導システムの共同研究契約を締結した。遠隔地からの手技指導を可能にするシステムを開発し、2017年の実用化を目指す。 - 米国遠隔医療の最新事情、地域格差は解決できるのか
日本では、2015年8月10日の厚生労働省通達を契機に動き出した遠隔医療。米国の最新動向はどうなっているのだろうか。 - 遠隔医療をより身近に、シスコがソフトウェアプラットフォームを発表
シスコシステムズは、医療向けのネットワークシステムを実現するソフトウェア「Cisco HealthPresence」の新版を発表した。遠隔医療や地方医療に必要なシステムを、より容易に実現できるという。 - 見る角度によって違う映像を視聴できる「多指向映像スクリーン技術」――NTTと東北大が共同開発
NTTは、異なる方向から別々の映像を視聴できる映像表現技術「多指向映像スクリーン技術」を東北大学と共同で開発したと発表した。 - SFみたいな身体の入れ替わりが実現? VRが技術伝承や遠隔作業に貢献する可能性
VRの用途は、ゲームなどエンターテインメントに限らない。製造業では設計開発向けが有望視されている。「身体の入れ替わり」「瞬間移動」といったSFのようなことが実現すれば、さらに製造業の可能性を広げそうだ。