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コンチネンタルが目指す“完全な”コネクテッドカー、通信業界との連携強化:車載情報機器(2/2 ページ)
Continental(コンチネンタル)が、“完全なコネクテッドカー”の実現に向けて、技術開発を急ぐ。異業種とも積極的に協業してソリューションをそろえている。
V2XはLTEからスタート、将来の5Gは
5G推進団体「5G オートモーティブ アソシエーション(5GAA)」の一員であるコンチネンタルは、LTEを拡張した通信によるV2X「Cellular V2X(C-V2X)」の実用化に取り組む。C-V2Xは、車両同士、車両とインフラや歩行者がダイレクトに通信できるのが特徴だという。C-V2XはNTTドコモとの共同研究も行う。
C-V2Xの規格は2017年上半期に発行。コンチネンタルは2017年末から2018年にかけて、実証実験を行う。2021年に実用化を目指す。最初に量産されるアプリケーションは、右折時の警告などの予定だ。また、DSRCやIEEE 802.11pを使ったV2Xも開発している。
NTTドコモとの協業は5Gの研究にも広がっている。高帯域かつ超低遅延の5Gを活用することにより、前方車両が検知した障害物の情報を後続車両と共有することなどが可能になる。今後はNTTドコモ以外にもパートナー企業を増やし、自動車メーカーとも技術試験や特性検査を実施していく。
5Gの利用については、自動車メーカーやティア1サプライヤーではなく政府が決める。その決定のプロセスが各国で進んでいるが、明確な方向性は明らかになっていない。今後1〜2年で意思決定が明らかになっていくとみている。最も判断が早いのは中国かもしれない。
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