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異分野間の制御システム連携を確認、ダウンタイム回避に期待製造ITニュース

情報処理推進機構は、工場のスマート化で課題となる、制御システムの異分野間連携の高信頼化が可能であることを実証実験により確認した。実験で実装した対策例が、機器の故障や制御指示の競合など、異常の早期検出に効果的であることが分かった。

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 情報処理推進機構(IPA)は2017年5月31日、工場をスマート化する際に課題となる、制御システムの異分野間連携の高信頼化が可能であることを、実証実験によって確認できたと発表した。

 同実証実験は、同年2〜3月にかけて、IPAと日本ロボット工業会ORiN協議会、エコーネットコンソーシアム、神奈川工科大学が共同で実施した。実験対象は生産監視システムで一元的に制御する分野間連携システムとし、製造ラインのロボットや機器を制御する産業ロボットシステムと、工場内の照明、空調機器を管理するエネルギーマネジメントシステムを連携させた。

 具体的な課題として、連携する相手側機器やシステムへの異常の波及と、2つの系統から1つの機器へ制御指示した場合の矛盾(競合)から発生する異常の2点を想定した。

 まず、産業ロボットシステムの生産稼働情報とエネルギーマネジメントシステムの電力情報から、1加工あたりの電力量の変化を監視し、過電流や漏電などの兆候を検知。それにより、異なる2つの情報を組み合わせた監視機能が可能だと確認できた。また、産業ロボットに異常な動作をさせた状態で、監視を妨害する攻撃に対し、2つの監視情報の相関性を確認することで異常を検知できることも確認した。

 また、異分野のシステムを接続した場合、1つの機器に対して各分野のシステムが優先度に従って制御指示を出すと、機器故障や誤動作を発生させる危険性がある。同実験では、空調に対するパワーオン/オフの矛盾した指示を、一定時間のオン/オフの繰り返し回数を監視することで異常検知できる対策を実装し、確認した。

 今回の実証実験で実装した対策例は、機器の故障やセキュリティ異常、制御指示の競合など、異常の早期検出に効果的であることが分かった。工場におけるダウンタイムの回避、運用・保守の効率化、生産性向上につながることが期待される。

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実証実験の対象システム

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