IoTの課題は「接続相手の信頼性が不明」なこと――IPA/SECが調査:製造業IoT
情報処理推進機構 技術本部 ソフトウェア高信頼化センター(IPA/SEC)は、IoT(モノのインターネット)の課題を企業がどう捉えているかについての調査結果を明らかにした。
情報処理推進機構 技術本部 ソフトウェア高信頼化センター(IPA/SEC)は、企業がIoT(Internet of Things、モノのインターネット)の課題をどう捉えているのか、その課題にどのように取り組んでいるかについての調査結果を明らかにした。
IPA/SECは、「第13回情報セキュリティEXPO」(2016年5月11〜13日、東京ビッグサイト)に出展したIPAの展示ブース内で、2016年3月に策定したIoTを活用した製品開発のガイドライン「つながる世界の開発指針」の展示コーナーを設けた。同コーナーの来場者に対して今回の調査を行い、569件の回答を得た。
調査の設問は2つあり、設問1が「IoT時代の異業種間の機器・システムがつながる世界において課題と思われることはなんですか(複数回答可)」、設問2が「上記課題(設問1の回答)について、具体的に教えてください、また、その課題に対して取り組んでいることがありましたら合わせて教えてください」となっている。
設問1で、最も多かった回答は「接続相手の信頼性が不明」で60.5%。続いて「障害時の責任の分界点が不明」で45.5%、「開発時の試験範囲が拡大」で43.6%などとなった。製品がIoTとなる際に、通信接続先の信頼性をいかにして確保すべきかに注目が集まっていることが浮き彫りになった格好だ。
自由記述回答となる設問2でも、「つながりで発生するリスク」「IoTの検証・テスト」「IoTのセキュリティ対策」などが上位に名を連ねた。
なおIPA/SECでは、IoT製品開発のガイドラインである「つながる世界の開発指針」の中で17項目の指針を示している。このガイドラインを製品開発の現場で実際に利用してもらうべく、約20社の協力企業における運用に向けた準備を進めているところだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「つながる世界の開発方針」IPAが公開、IoT推進コンソーシアムに採用働きかける
IPA(情報処理推進機構)が、IoT製品の安全性やセキュリティ確保を狙いとした「つながる世界の開発方針」ともよべる開発指針を公表した。「IoT推進コンソーシアム」に対して採用を働きかける。 - IoTは導入企業の過半数で「投資対効果ある」段階に
ボーダフォンが世界17カ国、9業界の約1100人の企業経営幹部を対象にIoTの普及を調査した「ボーダフォンIoT普及状況調査レポート2016」をまとめた。既にIoTは「導入するかどうか」を超え「どのように導入するべきか」のフェーズに突入しているという。 - 国内におけるIoTの取り組み状況調査、ほぼ半数は「限定的導入」
IDC Japanは、国内におけるIoTの取り組み状況について調査を実施した。結果を分析したところ、国内IoTユーザー企業のほぼ半数は「限定的導入」(5段階中、下から2番目)の成熟度にとどまっていることが分かった。 - 2015年のIoTへの国内年間投資額は6.2兆円、製造業が最大
IT調査会社のIDC Japanは、国内のIoT市場の産業分野別動向について発表した。2015年のIoT関連への年間投資額の1位は組み立て製造業、2位はプロセス製造業になっているという。 - IoTに関する意識調査、「理解している」人は1割
VSNは「IoT(Internet of Things)に関する意識調査」の結果を発表した。IoTを理解できているのは全体の11.1%で、IoTからイメージするのはスマートホームや家電だということが分かった。