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IoT時代を見据えたARCプロセッサの性能は「Cortex-A9」の1.5倍、消費電力も半減組み込み開発ニュース(2/2 ページ)

日本シノプシスは、高性能組み込み機器向けプロセッサコアの新製品「DesignWare ARC HS4x/HS4xD」を発表。現行の「HS3x/HS3xD」から大幅な性能向上を果たした新たなフラグシップ製品で、IoT(モノのインターネット)のエッジデバイスに求められる、さらなる処理性能向上と消費電力低減という要求を満たしている。

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競合を「Coretex-A9」「Coretex-A7」「Coretex-A17」とする理由

 トンプソン氏は「これまでも、これからも、ARCプロセッサは“組み込み機器”向けの製品として展開していく」と強調した。その一方で、HS4x/HS4xDの性能比較の対象として挙げたのは、ARMのアプリケーション処理用プロセッサコアである「Coretex-A9」や「Coretex-A7」、「Coretex-A17」などだ。具体的な性能比較として以下の4点を示した。

  • Coretex-A9と比べて、処理性能が45%高く、消費電力は2分の1
  • MIPSの「InterAptiv」やCoretex-A7と比べて、処理性能は2倍で、消費電力は20%少ない
  • ケイデンス(Cadence Design Systems)の「Tensilica」と比べて処理性能は2.5倍
  • HS48のデュアルコア構成であれば、Coretex-A17より高性能で、Coretex-A9より消費電力が少ない

 かつてはハイエンドプロセッサコアだったCoretex-A9だが、現在では後発のCoretex-A7やCoretex-A17とともに、ミッドレンジ以下の位置付けで利用されている。そして、IoT(モノのインターネット)のPoC(実証試験)では、エッジデバイスとして「Raspberry Pi」などの小型で安価な評価ボードが用いられているが、そのプロセッサコアは、Coretex-A9やCoretex-A7、Coretex-A17などとなっている。これらと比べて処理能力が高く、消費電力も低いHS4x/HS4xDは、IoT時代に最適なプロセッサコアというわけだ。

 「無論、ARMの『Coretex-A72/73』やインテルなどのハイエンドプロセッサと対抗することはない。しかし、組み込み機器向けとはいえ、IoT時代に入ってより高い処理能力に対する要求は高まっている。そういった需要を取り込んでいきたい」(トンプソン氏)としている。

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