ニュース
世界初の全身用320列面検出器型の立位/座位CTを開発:医療機器ニュース
東芝メディカルシステムズは、全身用320列面検出器型の立位/座位CT「東芝スキャナ TSX-401R」を発表した。慶應義塾大学 医学部との産学連携により開発したもので、従来の装置では困難だった全身での撮影や軟部組織の評価ができる。
東芝メディカルシステムズは2017年5月2日、全身用320列面検出器型の立位/座位CT「東芝スキャナ TSX-401R」を発表した。慶應義塾大学 医学部 放射線科学教室との産学連携により開発した。従来のCTは横たわっている姿勢のみでしか撮影できず、起き上がると増悪する病態や立位/座位でしか行えない機能の評価はできなかった。
TSX-401Rには、同社が独自に開発したエリアディテクターCT「Aquilion ONE」の最新技術を応用している。加えて、装置左右のスタンド部分に内蔵する高精度な駆動機構を開発。画質に影響を及ぼす振動を従来の臥位CT以下に抑え、スキャナー自体を上下駆動させながらの全身撮影を可能にした。
また、従来のCTでは縦置きだった架台を横置きにし、上下動させることで、立位/座位で撮影できるようになった。320列の面検出器により、一回転を最速0.275秒のスキャン時間で最大160mmの幅を0.5?スライス厚で撮影できる。従来の装置では困難だった全身撮影が可能で、臓器や筋肉など軟部組織の評価も可能になった。同一部位を連続撮影し、臓器や脊椎/関節の動態情報を立位/座位で収集できる。
関連記事
- 「国内診断装置市場の競争は絶滅戦争に近い」、シーメンスはサービスに重点
シーメンスヘルスケアは、主力のCTやMRIといった診断装置事業について、単体製品の販売から、ソリューション提案やコンサルティングを含めたサービスに力点を移す方針。体外診断薬を用いた検査事業にも注力するという。 - CT装置の“常識”を打ち破る「SOMATOM go」はタブレット端末で操作する
シーメンスヘルスケアは、「2017国際医用画像総合展」において、タブレット端末で操作する新コンセプトのCT装置「SOMATOM go」を披露した。CT検査のワークフローにおける“常識”を打ち破る「業界初」(同社)の製品だという。 - 最短3秒で胸部撮影が可能な80列/160スライスCTを発売
東芝メディカルシステムズは、80列/160スライスマルチスライスヘリカルCT「Aquilion Lightning/Helios Edition」を発売した。従来装置に比べ、検査室の設置スペースを約50%低減する。 - 見るから触るへ――CT画像からSTLファイルを生成できる「Expert INTAGE」
サイバネットシステムは、医用画像向けソフトウェア「Expert INTAGE(エキスパートインテージ)」と「Prime INTAGE(プライムインテージ)」の販売開始を発表した。 - 臓器の超精密3Dプリントには工業用CTスキャナが必要
JMCは、「MEDTEC Japan 2015」において、医療モデルの3Dプリント出力サービスについて紹介した。最近では、工業用CTスキャナを使った、超精密3Dプリントも行っているという。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.