Society 5.0による真の働き方改革へ、サイバーダインとワークスが提携:製造業IoT(2/2 ページ)
サイバーダインとワークスアプリケーションズ(ワークス)は、日本政府が推進する「Society 5.0」や「Connected Industries」の実現を目指し、サイバーダインのサイバニクス技術とワークスアプリケーションズのAI技術を組み合わせた次世代システムの共同開発に向けて業務提携すると発表した。
「ルーティンワークの撲滅」と「クリエイティビティの創出」
サイバーダインはサイバニクス技術が既にIoTとして活用可能なことをアピールしてきた。国内ERPパッケージ大手のワークスアプリケーションズとの提携は、サイバニクス技術ベースのIoTから得たビッグデータを、職場の労務管理や生産管理に活用できるようにするための具体的な取り組みになる。
会見で牧野氏が強調したのが、政府が推進する「働き方改革」への適用だ。同氏は「Workforce Techは、AI技術の活用でルーティンワークを撲滅することを目的としている。その次の目的になるのが、ルーティンワークの撲滅によって生まれた時間を使ってクリエイティビティを創出することだ。そのためには、バイタルセンシングなどのサイバニクス技術が必要になると考えていた。日本、そして世界でも最先端のサイバニクス技術を持つサイバーダインと提携できたので、本当の意味での働き方改革が実現できるようになる」と説明する。
両社は、働き方改革の延長線上として、生産現場で用いる次世代生産システムの共同開発も進めていく。山海氏は「生産現場も多くの人が働いており、その労務管理にはサイバニクス技術が役立つ。また、サイバニクス技術で得られた情報は、労務管理だけでなく、生産ラインや産業用ロボットが人に合わせて協働するシステムにも活用できる」と述べる。
IoTデバイスとなるHALやバイタルセンサーについては、「医療機器の審査を行うPMDAとのやりとりはほぼ終わっているので、間もなく現場で利用できる状態になる」(山海氏)であり、「両社が共同開発する次世代システムは2017年末までに何らかの形を見せられるようにしたい。製品として出荷するのは2018年以降になるだろう」(牧野氏)という。
なお、今回の資本提携は、企業規模の小さいサイバーダインから企業規模の大きいワークスアプリケーションズへの出資となっている。牧野氏は、「当社(ワークスアプリケーションズ)がちょうど資本構成を見直そうとしていた時期に出資を含めた提携の話をいただいたので受けた形。単なる業務提携を超えた緊密な連携が目的であり、要請があれば当社からサイバーダインに出資することもあり得るだろう」と述べている。
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