「つながる工場」をどう実現するのか、企画展示でファナックやジェイテクトが提案:TECHNO-FRONTIER 2017(2/3 ページ)
「TECHNO-FRONTIER 2017(テクノフロンティア 2017)」では、企画展示として「IoTが拓く次世代ものづくりの世界」を実施。ファナックやジェイテクト、安川電機など7社が、実践的な製造業IoTを実現する手段を訴えた。
“安川版インダストリー4.0”の一部をアピール
安川電機は、BTO生産を自動化するとともにそれによって生成された生産情報見える化するデモを行った。
同社は“安川版インダストリー4.0”として、ドイツがインダストリー4.0で示すコンセプトを、独自で解釈しロボットの多能工化など、新たな先端工場の姿を“安川版インダストリー4.0”として打ち出す方針を示している。
今回のデモは非常にシンプルだが2つの技術を示している。1つはBTO(Build to Order)生産である。日本語、中国語、英語の3つの文字が書かれたブロック4つを、小型ロボットが注文に応じて並べ替えるというものである。もう1つが生産の見える化だ。この生産状況や機器の作業のデータを取得し、その情報をインターネットにつなぎ、遠隔地からでも作業の様子が見えるようにしている。
ブース説明員は「今回のデモは非常にシンプルなものだが、実際の工場に当てはめてこの仕組みを実現するだけでも難しい課題が山積している。“安川版インダストリー4.0”では、こうした課題を1つずつ解決できるようなソリューションを提案していく」と述べている※)。
※)関連記事:ミニカーの注文から完成まで12秒、安川が次世代工場の実力をアピール
汎用性に優れた現場デバイスをそろえる日立産機システム
日立産機システムは「つながる工場」時代に対応しEtherCATやOPC UAに対応したPLCの他、同PLC機能を組み込める産業用PCなどをアピールした。
IoT対応産業用コントローラーの具体的な特徴は、国際標準であるIEC61131-3規格に準拠するプログラミング言語を採用した他、産業用オープンネットワークであるEtherCATを採用。さらに、「OPC-UA クライアント」としての機能を内蔵しており、主要な標準規格に対応している。業界で標準的とみられる主要規格に対応することで、現場機器との連携が課題となるつながる工場の実現に向けて具体的なソリューションを提案していく方針である。また、得た情報をブラウザベースで表示する機能なども備えており、遠隔監視なども可能である。
さらに、より柔軟な生産体制を構築するために産業用コントローラーの機能を盛り込んだ組み込み型の産業用PCも用意。CODESYSなどソフトウェアPLCに対応し、コントローラー機能を持つ一方で、通信プロトコルへの対応などもソフトウェアにより構成し柔軟な生産ライン構築や変更などが可能になる。「IoT対応には多くの製造業から関心が高まっているが、さまざまなシステムが稼働する機器を一元的に1つの規格で動かすのは無理がある。さまざまな規格に柔軟に対応していくことで実現に近づくことができる」(ブース説明員)としている。
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