「つながる工場」をどう実現するのか、企画展示でファナックやジェイテクトが提案:TECHNO-FRONTIER 2017(1/3 ページ)
「TECHNO-FRONTIER 2017(テクノフロンティア 2017)」では、企画展示として「IoTが拓く次世代ものづくりの世界」を実施。ファナックやジェイテクト、安川電機など7社が、実践的な製造業IoTを実現する手段を訴えた。
「TECHNO-FRONTIER 2017(テクノフロンティア 2017)」(2017年4月19〜21日、千葉・幕張メッセ)は、企画展示として日本機械学会 生産システム部門 部門長(東京理科大学 理工学部 経営工学科 准教授)日比野浩典氏の監修のもと「IoTが拓く次世代ものづくりの世界」を実施。ファナックやジェイテクト、安川電機など7社が、実践的な「つながる工場」の手段を訴えた。
IoTを活用した「つながる工場」実現への取り組みは加速しているが、一方でさまざまな現実的な課題を抱えている。こうした課題を解決するためには、まだまださまざまな技術や機器、ソリューションなどが必要である。企画展示では、こうした製造業のIoT活用を実現する各社の技術が示された。
「FIELD system」の進捗をアピールしたファナック
ファナックは同社が推進するつながる工場向けIoT基盤「FIELD system」をアピールした。「FIELD system」は、CNC(Computerized Numerical Control)や産業用ロボット、各種センサーなどのデータを集積し、一定の分析および制御を実現するIoTプラットフォームである。
米国のネットワーク関連企業Cisco Systems、産業オートメーション関連企業のRockwell Automation、日本で深層学習技術などを開発する人工知能関連ベンチャーPreferred Networks、さらにNTTグループと提携することで、これらのシステム開発を推進。さらに2016年8月からはパートナー企業を募り、さまざまな基盤の他、アプリケーションなどさまざまな開発が進められている※)。
※)関連記事:IoTによる「自律工場」へ加速するファナック、NTTグループとも提携へ
当初は2016年中に機器をリリースし2017年からの本格展開を目標としてきたが、開発を遅らせ、現在は2017年秋に向けて本格的な機器展開やアプリストアの展開などの準備を進めているという。
異種システム接続の意義を訴えたジェイテクト
ジェイテクトは、異種環境間を結べるインタフェース「TOYOPUC-Plus」の価値をアピールした。
「つながる工場」を実現したくても、工場内はさまざまなシステムが乱立している状況で、これらとデータ連携するには、異種環境を吸収する仕組みが必要となる。この仕組みとしてジェイテクトが訴えているのが「TOYOPUC-Plus」である。
「TOYOPUC-Plus」は小型のボード型PLCであるが、異種環境間の違いを吸収する一種のインタフェースの役割を果たすという点が特徴である。ボードの差し替えを行うことで、多彩な通信規格のサポートが可能。バッテリーレスでメンテナンスフリーである点などを活用することで、「FL-NET」や「CC-Link」「Ethernet/IP」「EtherCAT」などの産業用ネットワークで構成された制御装置を一括して結ぶことができる。
同社では、「工場の主役は人である」とした考えから、IoTを「モノ」だけではないということを明確化するために「IoE(Internet of Everything)」ソリューションとして展開。人を中心にモノやさまざまなプロセスがつながり、それが人の判断や作業を強化するというコンセプトで、分析基盤や見える化ソリューションなど、各種の機器やサービスをそろえていく方針を示している※)。
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