VWとアウディがEVコンセプト初公開、中国は「EVで世界をリードする市場」:上海モーターショー 2017(2/2 ページ)
Volkswagen(VW)とAudi(アウディ)は、「上海モーターショー2017」において、電気自動車(EV)のコンセプトモデルを初公開した。アウディは今回披露したEVクーペを2019年から量産する。VWは2020年から複数車種のEVを生産する計画だ。
ヘッドランプを目に見立てるのがデザインの流行?
アウディが今回披露したEVコンセプト「e-tron Sportback concept」は2車種目となる。2015年のフランクフルトモーターショーにSUVタイプのEV「e-tron quattro concept」を出展し、2018年に量産仕様で生産を開始することを発表した。クーペタイプのe-tron Sportback conceptは、2019年に市場投入される。
e-tron Sportback conceptは、フロントアクスルに1個、リアアクスルに2個の駆動用モーターを搭載した四輪駆動モデル。最高出力は320kWで、時速0-100kmの加速は4.5秒となる。バッテリー容量は95kWhで、走行距離はNEDCで500kmを超えるとしている。
フォッゲンライター氏は「中国には既に15万カ所の充電ステーションがあり、2017年末までにさらに10万カ所が増設される。こうした急激な成長に対応して、今後5年以内に中国でe-tronモデル(プラグインハイブリッド車と電気自動車)を5車種発売する」とコメントした。
e-tron Sportback conceptの外形寸法は全長4900×全幅1980×全高1530mmで乗車定員は4人。VWのMEBと同様に駆動用バッテリーは床下に配置している。これにより車両の重心を下げるとともに、前後アクスルの重量配分を52:48と最適化する。サイドミラーを廃止して、カメラと室内に置いたディスプレイに置き換えたことも特徴となる。サイドミラーをなくすことにより、空気抵抗と風切り音を低減するだけでなく、従来のミラーにあった死角を解消し、斜め前方の視界も改善する。
共通点はヘッドランプでの「アイコンタクト」
アウディが披露したコンセプトモデルもVWと同様に、周囲とコミュニケーションするために、目のような動きを演出するLEDヘッドランプを採用している。複数のLED素子とマイクロミラー、複雑なLED制御技術を組み合わせて、さまざまな目の動きやサインを表現する。ドアを開けた時にあいさつしたり、走行中の意図を車外に伝えるための表示を行う。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「電気自動車の時代なんか来るわけがない」といわれようとも
スタートアップ企業の展示会「Slush Tokyo 2017」において、日産自動車 代表取締役社長兼CEOのカルロス・ゴーン氏が自動運転技術や電気自動車の展望、異業種やスタートアップ企業との連携について語った。 - 先行き不透明な中国自動車市場、エコカーとクロスオーバーで乗り越えられるか
中国経済の成長鈍化により同国の自動車市場は先行き不透明な状態になっている。そんな状況下で開催された「北京モーターショー2016」では、厳しい環境規制に対応するエコカーや、唯一大きな成長を見せているクロスオーバー車の出展が相次いだ。桃田健史氏による同ショーのレポートする。 - 中国新エネ車が席巻する、2016年の電気自動車/プラグインハイブリッド車市場
2015年、中国の新エネルギー車(新エネ車)の年間販売台数が22万〜25万台に達した。新エネ車=電気自動車もしくはプラグインハイブリッド車であり、その市場規模は米国を抜きトップに立つ見込み。2016年以降もその成長は加速する勢いで、今後の電気自動車/プラグインハイブリッド車市場は中国が台風の目になりそうだ。 - VWの2025年までの経営計画はSUV拡充と電気自動車100万台がカギ、2万人超の解雇も
Volkswagenは2025年までの中期経営計画を発表した。今後10年で、量販セグメントのトップブランドとなることを目標に、製品戦略を見直して高収益化を図る。電気自動車には25億ユーロ(約2980億円)を投資する。また、ユーザー8000万人のテレマティクスサービスを構築し、売上高10億ユーロ(約1200億円)を見込んでいる。 - アウディの新型SUVは全長5m超で4人乗り、マイルドHVも搭載
アウディは「第87回ジュネーブ国際モーターショー」において、電源電圧48Vの車載システムと電動スーパーチャージャー、ガソリンターボエンジンを組み合わせたマイルドハイブリッドSUV「Q8 sport concept」を披露した。