HDRとLEDのちらつき抑制を同時に実現、ソニーの車載向けイメージセンサー:車載半導体
ソニーは、HDRとLEDのちらつき抑制の両機能を同時に利用できる車載用高感度CMOSイメージセンサー「IMX390CQV」を製品化した。HDR機能と、LEDのちらつき抑制を同時に使用できるのは「業界初」(ソニー)としている。
ソニーは2017年4月12日、HDRとLEDのちらつき抑制の両機能を同時に利用できる車載用高感度CMOSイメージセンサー「IMX390CQV」を製品化したと発表した。HDRとLEDのちらつき抑制を同時に使用できるのは「業界初」(ソニー)としている。トンネルを出た直後など明暗差が大きな場所でも、LEDが使われている標識や信号機、他の車両のヘッドランプやブレーキランプを高画質に撮影できるようにする。
2017年5月からサンプル出荷を開始する。税別サンプル価格は5000円。2018年3月から量産する計画だ。先進運転支援システム(ADAS)や、ミラーをカメラとディスプレイで置き換えるミラーレス化などでの需要を見込んでいる。
標識や信号機、車両のヘッドランプやブレーキランプにはLEDが多用されているが、LEDの駆動周波数との関係からLEDを撮影した映像は特有のちらつき(LEDフリッカー)が発生する。今回発表した製品は、LEDの点滅の影響を受けないように露光時間をLEDの点滅周期よりも長くすることで、LEDフリッカーを抑制する。HDR機能は独自の画素構造と露光方法によって120dBの広いダイナミックレンジを低ノイズで撮影できるようにした。
従来比1.5倍の最高感度を実現するため、フォトダイオードで得られた電子信号を電圧信号に変換する効率を高めた回路を搭載している。月明かりに相当する照度0.1ルクスの環境でも、高画質なカラー映像が撮影できるとしている。2018年には欧州の予防安全アセスメント「Euro-NCAP」の試験基準に夜間の歩行者検知と衝突回避が追加されるなど、車載カメラの夜間の検知性能に対する要求が高まっていることに対応する。
今回発表したIMX390CQVの開発では、ソニーとして初めて自動車向けの機能安全規格ISO 26262に準拠した開発プロセスを導入、ASIL Cに対応している。自動車向け電子部品の信頼性試験基準「AEC-Q100 Grade2」を2017年度中に達成する。
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