3D注記に対応し、大規模アセンブリー作業を快適にした「Autodesk Inventor 2018」:CADニュース
オートデスクの3D CAD「Autodesk Inventor 2018」では3D注記に対応し、幾何公差アドバイザーの機能も備えた。大規模アセンブリーの作業性についても改善した。
オートデスクは2017年4月12日、3D CADの新製品「Autodesk Inventor 2018」(Inventor 2018)を発表した。
Inventor 2018から3D注記の書き込みに対応し、幾何公差アドバイザーを追加した。3D注記が直接3Dモデルに書き込めるようになり、かつ2D図面や3D PDFのデータにも注記を反映することが可能だ。2010年から「Autodesk Lab」で公開されていた3D注記の機能を基に、β版に実装して評価を重ねた後、今回リリースとなった。
今回はInventor 2016から登場した、マルチフォーマット対応の「AnyCAD」を改良。建築向け設計ツール「Autodesk Revit」のネイティブフォーマット「RFA」と中間フォーマット「IFC」の書き出しに対応した。またAnyCADの技術で、同社のCAD「AutoCAD」の2D図面とInventor内の3Dデータをリンクし更新できる機能を備えていたが、部品単位だけではなくアセンブリー単位でも対応した。
BIMデータにInventorで作成した製品データを組み合わせる際は、部品単位で不必要な形状を簡略化するかどうか、簡単な操作で選択できる。
Inventor 2018で作られたデータがInventor 2017でもそのまま使える。やむを得ず、すぐに新バージョンに対応できないユーザーを配慮したという。
大規模アセンブリーのパフォーマンスや操作性については、ユーザーが多用する回転とズームに着目して改善した。「単純に処理スピードを速くするのではなく、その後のワークフローまで考慮した改善」(同社)
部品干渉の解析では、サブアセンブリーをコンポーネントとして扱った解析が可能だ。また、「穴に食い込んだネジ山」などネジが起因する干渉を除外した解析もできる。
ユーザーの声を収集する取り組み
Inventorのバージョンアップにあたり、同社ではユーザーの声をダイレクトに抽出するためのさまざまな仕組みを活用してきた。「Inventor IdeaStation」は同社の公式ユーザーコミュニティーSNS内にあり、同社の開発者に改善要望を伝えられるようになっている。要望の投稿に対して他ユーザーが「賛成」の意思表示をすることも可能だ。対応言語は英語のみ。
日本については、本社からInventorのマーケティング担当が開発者を伴って来日し、1室に日本ユーザーを集めて、β版などのオペレーションを実際にしながら、その場で改善要望を抽出してプログラムを書くというようなことも実施してきたということだ。
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