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フリーフォームに対応した3次元CADやBOM機能を強化したPDMをリリースオートデスクの新製品発表(1/2 ページ)

オートデスクは製造業向けアプリケーションとして、3次元CAD、PDM、シミュレーション関連ソフトの新バージョンを発表した。

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 オートデスクは2014年4月3日、製造業向けアプリケーションである、3次元CAD、PDM(Product Data Management)、シミュレーション関連ソフトの新バージョンを発表した。

 今回新バージョンを発表したのは、3次元CAD「Autodesk Inventor」シリーズ、PDMの「Autodesk Vault」シリーズ、解析の「Autodesk Simulation」シリーズ、3次元データのキャプチャー関連アプリケーション「Autodesk ReCap」シリーズだ。

3次元CADは、UI、モデリング能力、ワークフローを強化

 3次元CAD「Autodesk Inventor」シリーズでは、「Autodesk Inventor 2015」(税別希望小売価格66万円、メンテナンスサービス9万9000円から)と同製品に解析や配管・配線などの機能を加えた「Autodesk Inventor Professional 2015」(税別希望小売価格106万5000円、メンテナンスサービス16万円から)を同年4月9日から販売する。

 新バージョンでは、新たに「ユーザーエクスペリエンス、モデリング能力、ワークフローの3点を強化した。より多くの人にとって使いやすくするとともに、設計者の負担軽減、ワークフロー全体の最適化を進めていく」と同社 営業技術本部 加藤久喜氏は述べている。

 ユーザーエクスペリエンスの強化としては、より分かりやすいインタフェースを目指すとともに、チュートリアルなど学習コンテンツを充実。学習コンテンツはグラフィカルである上、ゲーミフィケーションの要素を取り入れ、導入現場の設計者たちが自分たちで学習しやすい環境構築を推進する。またリボンメニューや使用環境などをカスタマイズできるようにし、会社ごとやスキルごとに独自設定でアプリケーションを扱えるようにしたことも特徴だ。

 モデリング能力では、「スケッチ」や「フリーフォーム」「ダイレクト編集」などの機能を強化している。「フリーフォーム」によるモデリングでは、モデル面やエッジ、点を自由に操作でき、ポリゴンモデラーのような操作感でモデリングが行える。同機能は既に「Autodesk Fusion 360」などに既に採用された機能で、より自由度の高い設計が実現できるという。また、モデルを作成した後の追加工や、従来のソリッドモデルとの共存も可能で、さまざまな設計プロセスに対応している。ダイレクト編集については、以前から機能としては存在していたが、今回新たにダイレクト編集の内容も履歴として残せるようになったため、パラメトリックとダイレクトを組み合わせた作業工程の管理が可能となったという。

フリーフォームダイレクト編集 フリーフォーム(左)とダイレクト編集(右)の画面イメージ(クリックで拡大)

 ワークフローの強化については、従来できなかった「スイープにねじれた形状を追加するオプションの搭載」などより多くの機能に対応した他、従来は機能を限定した形で搭載されていた「大規模アセンブリ」の機能を大幅に強化。アセンブリ空間でのパーツの分別表示など、操作性を向上し作業時間の短縮に貢献するという。さらに、AutoCADで搭載した機能を採用し作図の品質を高めたことも特徴だ。

 同社ではベータ版のテストにより新たな機能などのユーザー調査を行っているが、「フリーフォーム」「ダイレクト編集」「大規模アセンブリ」は、このベータテストで評価の高かったトップ3の機能だという。加藤氏は「ベータテストには日本の設計者にも数多く参加してもらっているが、要望に応える機能強化を実現できた」と話している。

PDMはBOM機能を強化

 PDM「Autodesk Vault」シリーズは、「Autodesk Vault Workgroup 2015」(税別希望小売価格14万6000円、メンテナンスサービス2万2000円から)と「Autodesk Vault Professional 2015」(税別希望小売価格25万円、メンテナンスサービス3万8000円から)、「Autodesk Vault Office 2015」(税別希望小売価格7万3000円、メンテナンスサービス1万1000円から)を2014年4月7日から順次発売する。

Vault
「Autodesk Vault」シリーズのラインアップの変遷(クリックで拡大)

 今回は特に「Autodesk Vault Professional 2015」においてBOMの管理機能を強化したことが特徴だ。加藤氏は「今までAutodesk Vault ProfessionalはCADのデータ管理を主目的としており『CADベンダーのPDM』の枠から抜け出られなかった。しかし今回BOMの管理機能を強化したことで、一般的なPDMで使える機能は一通り使えるようになった」と語る。

 具体的には、CADからのアドイン機能を改善し、「Autodesk Inventor」や「AutoCAD」などから、アイテムを検索するオプションを追加。また、部品表から一時的に不要な構成を非表示にして、必要な構成のみを表示する機能や、アイテムの順序を任意に変更することを可能にした。例えば組み立て工程で使用する順番をVault内で設定し、後工程をよりスムーズに進められる。その他、Webブラウザから閲覧する「Thin Client」をクラウド サービス「Autodesk 360」と同じユーザーインタフェースに変更し、カスタマイズ性も大幅に強化している。

BOM検索 BOMインタフェース(左)とInventerからVaultを検索した画面(右)(クリックで拡大)
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