パナソニックがMESインテグレーターを子会社化、工場丸ごと提案を加速:FAニュース
パナソニック ファクトリーソリューションズは、製造実行システムのソフトウェア開発、販売、システムインテグレーターであるDATA COLLECTION SYSTEMSを子会社化した。工場丸ごとのソリューション提案を強化する方針。
パナソニック ファクトリーソリューションズ(以下、PFSC)は2017年3月24日、製造実行システム(MES:Manufacturing Execution System)のソフトウェア開発、販売、システムインテグレーターであるDATA COLLECTION SYSTEMS(以下、DCS)を子会社化すると発表した。
MESは製造現場において、具体的な生産指示や監視、実績分析を行い、より精緻に生産能力や実績を把握することを目的としたシステムである。現在IoT(モノのインターネット)活用が進展しているが、この流れの中で、製造現場の情報基盤として注目を集めているのがMESである。
PFSCは従来の電子部品実装機の単体販売事業に加え、工場全体の生産運営の最適化に関する提案型ビジネスを強化する方針を示している※)。一方、DCSは導入のしやすさを特長とする自社開発MESおよび生産管理ソフトウェアを、日本に加えタイ、マレーシア、中国拠点のネットワークを生かし、アジア地域の製造業顧客へ広く導入し成長してきた。
※)関連記事:単品売りから工場丸ごと提案へ、スマート工場を主軸とするパナソニック
こうした状況を背景とし、PFSCの営業力と、DCSのシステムインテグレーション人材が一体となり、より多くのユーザー企業により高いレベルの工程改善ソリューションを提供していくことが重要であるとし、PFSCがDCSを子会社化して一体での運営を進めることを決めた。PFSCとDCSは、今後の成長市場であるMES分野において、新規導入業界を中心に製造フロア提案型ビジネスを拡大。成長に取り組んでいく方針だ。
なおDCSは子会社化後「パナソニックFSインテグレーションシステムズ」に社名を変更する予定としている。
≫DCS社長の栗田氏の連載記事「知っておきたいASEAN事情」
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