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第4次産業革命で各団体が立てる「参照モデル」とは何?いまさら聞けない第4次産業革命(11)(3/4 ページ)

製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。本連載では、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについてお伝えしています。第11回となる今回は、各団体が打ち出す「参照モデル(リファレンスアーキテクチャ)」について説明します。

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IICの参照モデル「IIRA」

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「RAMI4.0」以外にもリファレンスアーキテクチャモデルはあるんですか。


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いろいろあるわよ。その中でもRAMI4.0に次いで注目されているとなると、インダストリアルインターネットコンソーシアム(IIC)の「IIRA(Industrial Internet Reference Architecture)」になるかしら。ここは米国さんの登場かな。


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そうデース。やってきまシター。


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ちょっと、米国さん。驚かさないでくださいよ。


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ごめんなサーイ。「IIRA」の話が出たのでつい。IIRAは、IICが策定しまシター。インダストリー4.0が製造業を中心としているのに対してIICはさまざまな産業を対象にしていマース。だから産業カットの切り口などを用意している点などが違いといえマース。


 インダストリー4.0がもともと「モノづくりの革新」を目標としていたのに対し、IICはIoTを含む産業用インターネットの産業実装を目的としています。そのため対象とする産業や組織の構成などが少し異なっていることが特徴といえるかもしれません。

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IIRAの一部 出典:IIC

 実は、このIIRAとRAMI4.0ですが、すり合わせる動きが始まっています。2015年11月には、スイスのチューリッヒで標準化実現に向けたそれぞれのリファレンスアーキテクチャモデルのすり合わせとマッピングを実施しました。さらに、2016年5月からはあらためて標準化に向けての話し合いを開始し、同年6月には新たに共同ワーキンググループ(WG)を設置して、具体的なソリューション構築に取り組み始めています。

 一方でIEC(国際電気標準会議)やISO(国際標準化機構)などの国際標準化団体でもスマートファクトリーや第4次産業革命の在り方を議論する動きが進んでいます。IECでは「SG8 Industry 4.0 - Smart Manufacturing」、ISOでは「SAG Industry 4.0 - Smart Manufacturing」という戦略グループにおいて、標準化に向けた主要な方向性と、現存する規格のマッピングなどの取り組みを行ってきました。これらの中では「RAMI4.0」や「IIRA」などが話題となることも多かったといいます。ただ、IECとISOが共同WGを作る動きが生まれており、そのタイミングで新たに日本からも新たなリファレンスアーキテクチャモデルを提案することになりました。

 それがIVIが策定した「IVRA(Industrial Value Chain Reference Architecture)」です※)

※)関連記事:なぜIVIは新たなスマート工場モデルを打ち出すのか

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