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マイクロソフトとトヨタがライセンス契約、つながるクルマで特許を相互利用車載情報機器

Microsoftは、トヨタ自動車とコネクテッドカー関連の技術を含む特許ライセンス契約を締結した。トヨタ自動車とマイクロソフトは両社が持つ特許を互いに利用して、新しい車載情報機器やクラウドサービスを開発する。

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 Microsoft(マイクロソフト)は2017年3月22日、トヨタ自動車とコネクテッドカー関連の技術を含む特許ライセンス契約を締結したと発表した。トヨタ自動車とマイクロソフトは両社が持つ特許を互いに利用して、新しい車載情報機器やクラウドサービスを開発する。

 トヨタ自動車は、マイクロソフトがグローバルで所有するデータセンターを活用することもできる。マイクロソフトは、トヨタ自動車のビジネスから実際の車載情報機器の使われ方をよりよく知ることが可能になるという。

マイクロソフトが持つ特許

 マイクロソフトが持つコネクテッドカー関連の特許の代表例には、CES 2017で発表したプラットフォーム「Microsoft Connected Vehicle Platform」がある。クラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」のサービス群で、コネクテッドカーの開発向けに設計されたものだ。

 Microsoft Connected Vehicle Platformでは音声アシスタント技術「Cortana(コルタナ)」を車載情報機器に搭載可能になる。音声認識機能を直感的なHMI(ヒューマンマシンインタフェース)として活用できるだけでなく、ドライバーの好みを理解したり、コルタナの機能をクルマでもスマートフォンでも利用したりできるようにする。また、ドライバーの状態を監視するための顔認識技術も含まれる。

 日産自動車やBMWがMicrosoft Connected Vehicle Platformの採用を発表しているが、特許ライセンス契約は結んでいない(関連記事:自動運転車が判断できない場面はマネジャーが指導? NASAと組んだ日産の成果とは)。

通れた道マップ、G-BOOK……マイクロソフトとの協力

 トヨタ自動車とマイクロソフトはこれまでにも協力関係を築いてきた。2002年に「.NET Framework」を利用した車載型のテレマティクスサービス「G-BOOK」を発表。

 2011年には東日本大震災で多くの道路で交通が寸断された中、通行実績のある道を地図上で示す「通れた道マップ」を公開した。Azureで開発したサービスで、G-BOOK搭載車両から収集したプローブ情報をマイクロソフトの地図サービス「bing」上で表示させた。AzureはG-BOOKの後継サービスとなる「T-Connect」にも活用されている。

 また、2011年には次世代テレマティクスのプラットフォーム構築について戦略的提携を結んでいる(関連記事:電気自動車にはクラウドが不可欠、Microsoftとトヨタがサービス構築で提携)。

 2016年には米国に、トヨタ自動車のIT事業会社であるトヨタメディアサービスとマイクロソフトの合弁会社「Toyota Connected(トヨタコネクテッド)」を新設した(関連記事:トヨタはマイクロソフトとのビッグデータ合弁でIoTも視野に入れる)。トヨタコネクテッドでは、車載通信機(DCM、データコミュニケーションモジュール)を装着したトヨタ車やレクサス車から得られる情報を解析し、商品開発に応用していく。

 車載通信機からの情報を集約するトヨタ ビッグデータ センターの運用もトヨタコネクテッドが担っている。さらに、テレマティクス自動車保険の開発にもビッグデータを活用していく(関連記事:トヨタが米国でテレマティクス保険、人工知能の活用も視野に)。

 今回の特許ライセンス契約はこれらのパートナーシップに基づくとしている。

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