ホンダとGMの燃料電池合弁会社、GMから初代社長:製造マネジメントニュース
ホンダとGeneral Motors、燃料電池システムを生産する合弁会社「Fuel Cell System Manufacturing(FCSM)」の経営体制を発表した。初代社長にはGeneral MotorsでOperational Exellenceのディレクターを務めたソーヘイブ・ハック氏が就任する。
ホンダとGeneral Motors(GM)は2017年3月8日、燃料電池システムを生産する合弁会社「Fuel Cell System Manufacturing(FCSM)」の経営体制を発表した。初代社長にはGMでOperational Exellenceのディレクターを務めたソーヘイブ・ハック(Suheb Haq)氏が就任する。副社長は、ホンダ 執行役員で、ホンダ オブ アメリカ マニュファクチュアリング 取締役社長の神阪知己氏が務める。両者が合弁会社の生産における執行と監督を担う。社長と副社長は2年ごとに持ち回りで指名する。
なお、GM傘下の欧州ブランドであるドイツのオペル(Opel)をPSAグループが譲り受けたことにより、FCSMで生産する燃料電池システムをPSAグループが採用する可能性もある。実際に、PSAグループによるGMの欧州事業買収の発表文でも、その可能性に言及している。
FCSMはホンダとGMがそれぞれ3人ずつ指名した取締役で構成する取締役会を置く。取締役会議長は持ち回りで指名し、今回はホンダ 取締役 常務執行役員 四輪事業本部長の関口孝氏が就任する。
取締役会には、関口氏、ホンダ 執行役員 IT本部長 生産本部生産企画統括部長の松川貢氏、ホンダ ノースアメリカ 上級副社長のリック・ショスティック氏がホンダ側から参加する。GMからは、Grobal Fuel Cell BusinessのExecutive Directorであるチャールズ・フリース(Charles Freese)氏、Corporate DevelopmentのExecutive Directorであるデイビッド・メデイ(David Maday)氏、Manufacturering EngineeringのExecutive Directorであるロバート・ポルチゲイズ(Robert Portugaise)氏が参加する。
FCSMはミシガン州デトロイトにあるGMのバッテリーパック工場内に拠点を置く。次世代の燃料電池システムは2020年ごろの量産開始を予定している。
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