フォルクスワーゲンの新たな“顔”となるか、新型セダン「アルテオン」:ジュネーブモーターショー2017
Volkswagenは「第87回ジュネーブ国際モーターショー」において、新型セダン「アルテオン」を世界初公開した。「パサート」の上位モデルであり、VWのラインアップを拡大する新しいプレミアムモデルと位置付ける。
Volkswagen(VW)は「第87回ジュネーブ国際モーターショー」(プレスデー:2017年3月7〜8日、一般公開日:3月9〜19日)において、新型セダン「Arteon(アルテオン)」を世界初公開した。「Passat(パサート)」の上位モデルであり、VWのラインアップを拡大する新しいプレミアムモデルと位置付ける。
ドイツ・エムデン工場で生産、2017年6月中旬からドイツ向けに納車を開始してからグローバルに展開する。
制限速度やルート情報を基に車速を制御するアダプティブクルーズコントロールや、ドライバーが運転できなくなる緊急事態に、減速と低速レーンへの車線変更を自動で行う機能など先進的な運転支援システムを追加した。
スポーツカーらしさを演出
新開発の排気量1.5l(リットル)4気筒直噴ターボエンジンを搭載する。ディーゼルエンジン搭載モデルもそろえる。気筒休止システム「アクティブシリンダーマネジメント」などの技術を組み合わせることにより効率を高めた。
プラットフォームは「MQB(モジュラー トランスバース マトリックス)」を採用した。エンジンを横置きにし、フロントの車軸を前方に移すことでホイールベースは2841mmを確保、広い居住空間を提供する。ホイールベースはパサートより51mm長い。アルテオンの外形寸法は全長4862×全幅1871×全高1427mmで、パサートより全長と全幅は長くなったが全高は38mm低い。クーペのようなファストバックデザインとなっている。
外観のデザインはスポーツカーのような印象を持たせている。ボンネットでフロントだけでなく、左右のホイールアーチの上までを覆う伝統的なスポーツカーのデザイン手法を採用した。ボンネットの輪郭線はラジエーターグリルに伸び、フロントグリルのクロスバーでワイドなデザインを強調している。このグリルデザインは新世代のVWラインアップ共通の顔になるという。フロントグリルのクロスバーは、サイドからリアランプまでつながるキャラクターラインとなっている。
ボンネットはヘッドランプ上部でまぶたのような効果を発揮しながら、ラジエーターグリルのラインをサイドからリアにつなげる役割も担っている。サイドから見ると、ホイールアーチの上をシャープなボンネットラインが通過し、低くスポーティーなルックスを演出することを狙っている。
緊急時は完全自動運転で安全に停止
運転支援に関してアルテオンには複数の新技術が搭載される。アダプティブクルーズコントロールは、カメラで検知した速度標識やナビゲーション情報を統合して車速の制御を行う。車線逸脱警告システムは、自車だけでなく他の車両の挙動にも反応するようになったという。
ドライバーの体調不良時は、交通状況に応じて自動的に低速レーンに車線変更し、同時に減速して車両を停止させる。ドライバーの体調不良による事故を防止するとともに、被害拡大を防ぐ機能で、アダプティブクルーズコントロールと車線逸脱警告システムの応用となる。他の道路利用者には警告灯などで異常を知らせる。
ヘッドランプの制御にはカメラからの画像情報とナビゲーション情報を組み合わせた。ドライバーがステアリングを操作する前にカーブの進行方向を照らすプレディクティブコントロール付きコーナリングライトを搭載する。
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