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出資や協業が相次ぐHERE、複数のパートナーと組む狙いは自動運転技術(2/3 ページ)

「2016年は変革の年、2017年は実行の年」だというHERE。2016年は出資と協業で大きな動きが相次いだ。複数の企業と協力する狙いをHERE オートモーティブ事業部 APAC市場戦略本部 統括本部長のマンダリ・カレシー氏が語った。

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協業先の得意分野を融合

 パートナーの1社であるMobileyeは、カメラから得られた道路のデータをクラウド基盤に集めて作成、更新する地図「Roadbook」を持っている。このRoadbookをHEREはクラウドベースの高精度地図「HD Live Map」のデータ層として使用する。一方、MobileyeはRoadbookの作成と維持でHEREのオープンロケーションプラットフォームを活用する。

 2018年以降、BMWは新型車にMobileyeのシステムを搭載予定で、Mobileyeのセンサーから得た情報をリアルタイムな交通情報サービスに活用していく。このサービスでは、GPSのプローブ情報以外にも、雨滴センサーなどさまざまなセンサーの情報をクラウドに集める。

 NVIDIAとの協力は、自前で高精度地図を作って実験したいという企業の要望に応えるものだ。「HEREがそうした声に全て答えて高精度地図を作成するのは難しい。NVIDIAのマッピングプラットフォーム『DriveWorks』は、HEREのプラットフォームで高精度地図を作りやすくした。GPUの人工知能(AI)技術で車線や標識、ランドマークを検出するアルゴリズムが組み込まれている」(カレシー氏)。

 パイオニアと協業するので、日本で高精度地図の作製は行わない。「日本で高精度地図データを作るには何が大変か、できることとできないことを確かめるためのデータ収集はやった。日本の地図はパートナーであるパイオニア(とインクリメントP)が持っているものを使う。パイオニアのデバイスから取得した情報を地図データに活用したいと考えているが、具体的には未定だ。あらゆるセンサーが位置情報に生かされると良いと考えている」(カレシー氏)。

 車載情報機器ではMicrosoftのプラットフォームとの連携を深める。「音声検索を使うと、Microsoftのデジタルエージェント『Cortana』がHEREの地図データのバックエンドを検索し、ユーザーの質問に応えるようになる」(カレシー氏)。ツールベンダーであるPELAGICOREやRIGHTWAREとも組む。「実際に使われているツールにわれわれがプラグインすることで、開発者にとって使いやすい仕組みとしていきたい」(カレシー氏)という理由がある。

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