プラントでも加速するIoT、ハネウェルが「つながる工場」訴求:スマートファクトリー(2/2 ページ)
ハネウェルジャパンは横浜市内でパートナーイベント「2017 ジャパンテクノロジーサミット」を開催し、プロセスオートメーションにおける「つながる工場」化を訴えた。
カギを握るサイバーセキュリティ
これらの「つながる世界」のカギを握る技術の1つが「サイバーセキュリティ技術」である。HPSでは、独自の6つのサイバーセキュリティ技術を保有。「プロセスオートメーション企業としてプラントオーナーがまずは安心して接続できる環境を整えることが最重要である」とカプール氏は語る。
マイクロソフトやパロワルトネットワークスなどの企業と一部でパートナーシップを結んでいるが、基本的には独自開発した6つの技術を活用。「監査と改善」「安全なネットワーク更新」「アプリケーションホワイトリスト」「リスクマネジャー」「安全なメディア交換」「管理されたセキュリティサービス」を展開する。さらにサイバーセキュリティスペシャリストを日本に配置し、支援を強化する。
「ハネウェルの強みはプロセスオートメーション。現場で使いやすく分かりやすい形で情報表示や警告、指導、教育などが行えることが特徴だ。ICTセキュリティの最先端の技術については専門セキュリティベンダーとの協業なども検討するが、現場にどう伝えるのかというところで特徴を出していく」(説明員)としている。
メンテナンスの改善も
さらに、効率化が遅れているメンテナンスの効率化にも取り組む。変更管理や機器構成などのマネジメントソフトウェア「Honeywell Trace」をリリースする他、システムのモニタリングやネットワークパフォーマンスの健全性を確認する「Performannce Analyzers」を展開する。カプール氏は「デジタル化されたワークフローにより生産性や透明性、安全性の向上が実現できる。設備のメンテナンスの手法は20年以上前から旧態依然として変わっていない。デジタル化を実現することで効率化を進めていく」と述べている。
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