「気持ちいいIoT」はトイレから、KDDIが新サービスを発表:製造業IoT(1/2 ページ)
KDDIは、トイレ向けのIoTクラウドサービス「KDDI IoTクラウド〜トイレ空室管理〜」と「KDDI IoTクラウド〜トイレ節水管理〜」を提供すると発表した。同社が、クラウドから末端のIoTデバイスまでワンストップで提供するIoTクラウドサービスの第1弾となる。
KDDIは2017年2月20日、東京都内で会見を開き、トイレ向けのIoTクラウドサービス「KDDI IoTクラウド〜トイレ空室管理〜(以下、トイレ空室管理)」と「KDDI IoTクラウド〜トイレ節水管理〜(以下、トイレ節水管理)」を同年3月以降に提供すると発表した。クラウドから末端のIoTデバイスまでワンストップで提供するIoTクラウドサービスの第1弾となる。初期費用は0円で、月額料金(税別)は、トイレ空室管理が1個室当たりで450円、1カ所のトイレスペース全体(例えば1階の男子トイレなど)で4600円。初期費用は0円だ。トイレ節水管理は、1個室当たり2300〜6000円。オフィスビル、商業施設、スタジアム、ホテル、鉄道など幅広い業界に提案していきたい考え。
同社 ソリューション事業本部 ビジネスIoT推進本部 ビジネスIoT企画部長の原田圭悟氏は「IoT活用の進展に伴い顧客のニーズも顕在化している」と語る。そして、「分かりやすいIoTはないか?」「誰にでもできる手軽なIoTはないか?」「見える化だけでなくコスト削減もできるとありがたい」という3つのニーズを挙げ、「これらを満たすIoTクラウドサービスとして誰もが毎日使うトイレに着目した」(原田氏)という。
実際にオフィス環境で重視される要素として、トイレはエアコンに次ぐ2位に入っている。そして、トイレの個室関連で気になることは、個室数の不足がダントツの1位だった。トイレの使用水量は、企業活動として数少ない削減可能なコストであり、受容性は高いという。
「トイレ空室管理」は競合に対して優位
今回発表したトイレ向けのIoTクラウドサービスのうち、トイレ空室管理は、扉に設置した磁気センサーと磁石を開閉センサーとして利用し、トイレ個室の満空状態を検知する。磁気センサー側のユニットからBluetooth Low Energyで専用ゲートウェイに情報を集めてからWi-FiでLTE通信ユニットに情報を送り、KDDIの「IoTクラウド Standard」で管理する。
ユーザーは、PCやスマートフォン、専用タブレット端末などでトイレ個室の満空状態を確認することができる。トイレ個室での長時間休憩の抑止や、各トイレ個室の利用状況から清掃頻度の最適化なども図れる。建材その他関連設備メーカーや、ゴム・タイヤ製造メーカーなどでの先行導入事例もある。
トイレ空室管理と同様のIoTサービスについては、ユニアデックスの「スマートトイレルーム」や伊藤忠テクノソリューションズの「IoTトイレ」などがある(関連記事:今一番ホットなIoT活用サービスはトイレ!?)。これら競合と比較した上での優位点として「クラウドからLTEによる通信ネットワーク、IoTデバイスまでを含めたパッケージサービスに仕立てて、月額で販売するという分かりやすさを評価していただけている。こういったトータルソリューションこそ『気持ちいいIoT』になるはずだ。価格も競合を調査して決めている」(原田氏)という。
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