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第4次産業革命を支えるIoTプラットフォームって結局何なの?いまさら聞けない第4次産業革命(10)(3/4 ページ)

製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。本連載では、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについてお伝えしています。第10回となる今回は、2016年から雨後のタケノコのように乱立する「IoTプラットフォーム」について説明したいと思います。

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「IoTプラットフォーム」が指すもの

 さて、IoTプラットフォームについての考え方は分かったものの矢面さんの疑問はまだ解消されていないようです。

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それにしても「IoTプラットフォーム」と名前の付く製品やサービス、多すぎません? どういう分類なんですかね。


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一概には言えないけれど、あえて分けるとすると「クラウド中心」と「エッジ中心」の2つの層に分けられると思うわ。あともう1つ加えるとすると「通信」を基軸にした動きがあるわね。


 IoTにより価値を実現するには、CPS(サイバーフィジカルシステム)がポイントになるという話をこの連載でも何度も取り上げてきましたが、主要な「IoTプラットフォーム」の1つは、データの蓄積場所であるクラウドを基軸にしたものだといえます。「AWS IoT」など、クラウドベンダーやITベンダーが提案する「IoTプラットフォーム」が代表的なものとして挙げられます。

 これらはクラウド環境でのデータ蓄積基盤を基軸として、これらに収納しやすいデータ取得のインタフェースなどを用意します。そして、これらのデータを加工しやすいように、さまざまな分析基盤や閲覧基盤との連携インタフェースなどを用意していることが特徴です。基本的には「データ」を全ての中心に位置付けているということが特徴といえるかもしれません。

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IoT活用の基本的な仕組みとなる「CPS(サイバーフィジカルシステム)」 出典:MONOist編集部で作成

 もう1つがエッジ側で「動作」や「実作業」などをベースに置いた「IoTプラットフォーム」です。CPSを考えた場合、現状で大きな障壁となっているのが「フィジカル」と「サイバー」の境界領域をどう越えるかということです。特に大きいのがリアルタイム性が要求されるような場面です。

 例えば、現場作業において、CPSにより管理されたロボットと人間が共に働くという場合、フィジカル側から上がった情報をサイバー側で分析して「危険だ」と気付いた場合でも、それをフィジカル側に戻して制御している間に、現実世界では既に人とロボットがぶつかっていた、ということが起こりえます。通信には必ず遅延時間が生まれますし、その発生も安定したものではないからです。

 こうした問題を解決するために、エッジ(現場)を基軸として、一時的に情報を蓄積して判断するとともに現場の作業制御を行ったり、必要な情報をクラウド側に上げたりする現場のコントロールタワーのような存在を目指す「IoTプラットフォーム」なども存在します。製造現場の装置ベンダーや産業用PCベンダーなどが提唱しているものです。ファナックの「FIELD system」※)などに代表されるものといえるでしょう。

※)関連記事:ファナックがIoT基盤の壮大な実演、JIMTOFで80社250台の工作機械を見える化

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NECが提唱する「IoTアーキテクチャ5層モデル」。データの保持層はセンサーデバイスレベル、エッジコンピューティングレベル、クラウドコンピューティングの3層に分け、間を近距離ネットワークと広域ネットワークで結ぶという考え方 出典:NEC

 もう1つの「通信軸」は、IoTで必ず利用することになる現場とクラウド間などの通信を軸とした動きです。IoTはその名前の通り、通信を前提としていますので、仮にエッジ層をはさむとしても、デバイスとエッジコンピューティング間、エッジとクラウド間の通信が発生します。その通信を中心としてエッジのデータ収集とクラウドへの送り込みを、インタフェースなどを組み合わせて提供することで簡略化するというものです。

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