世界ロボティクス関連市場予測、2020年に国内市場は2.3倍に:ロボット開発ニュース
IDC Japanは、世界ロボティクス関連市場予測を発表した。世界のロボティクス関連市場は2020年には2016年の2倍以上、アジア太平洋地域が市場の3分の2以上を占めると予測。国内市場は2015年の2.3倍に拡大すると予測している。
IDC Japanは2017年1月24日、世界ロボティクス関連市場予測を発表した。世界のロボティクス関連市場は、2020年には2016年の2倍以上、国内市場は2015年の2.3倍に拡大すると予測している。
米IDCの「Worldwide Semiannual Commercial Robotics Spending Guide」によると、世界のロボティクス関連市場は、2016年の支出額915億ドル(約10兆5000億円)から2020年には1880億ドル(約21兆5000億円)と2倍以上に拡大する見込みだ。
ロボティクス関連市場は製造業が半数以上を占めており、2016年の世界市場では組み立て製造が31%、プロセス製造が28%となっている。この傾向は2020年まで続き、両分野での支出額は2020年には約1100億ドル(約12兆6000億円)に達するという。
それに続く分野は、資源(80億ドル<約9160億円>)、消費者(65億ドル<約7440億円>)、医療(45億ドル<約5150億円>)の3分野で、2020年頃まで同様の傾向が続くとしている。また、2015〜2020年で最も高い成長率が見込まれる産業分野は、消費者、医療、小売の各分野と予測している。
テクノロジー別では、コンシューマーロボット、産業用ロボット、サービスロボットを含むロボットシステムやアフターマーケットのロボットハードウェアに対する支出額は、2016年で400億ドル(約4兆5800億円)以上とみている。また、アプリケーション管理、教育およびトレーニング、ハードウェア導入、システムインテグレーション、コンサルティングなどのサービス関連支出額は、2016年で200億ドル(約2兆2900億円)以上とみている。急成長しているセグメントは、ドローンおよびアフターマーケットで、2020年には200億ドル近くに達すると予測している。
地域別では、2016〜2020年にかけて日本を含むアジア太平洋地域が世界のロボティクス関連市場の3分の2以上を占めると予測。アジア太平洋地域の市場は2020年には2015年の2倍以上に増加し、最も成長が著しい地域と見通している。2016年では、欧州・中東・アフリカ地域が147億ドル(約1兆6800億円)、北米・中南米地域が129億ドル(約1兆4800億円)と続くが、2018年までに両地域の支出額が逆転すると予測。日本の2016年のロボティクス関連支出額は104億ドル(約1兆1900億円)で、2020年には2015年の2.3倍に増加すると予測している。
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