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モーター自社開発のホンダが日立オートモティブと合弁、日米中で電動車向けに生産エコカー技術

ホンダと日立オートモティブシステムズは、電動車向けモーターを開発、生産、販売する合弁会社を設立する。生産開始時期など詳細は協議中だが、開発は日本で、生産と販売は日米中の3カ所で行う。ホンダは自社のモーター生産ラインは維持する。「ホンダ以外でも、関心のある納入先なら積極的に外販したい」(ホンダ)と述べた。

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写真左から日立オートモティブシステムズの関秀明氏と、ホンダの八郷隆弘氏
写真左から日立オートモティブシステムズの関秀明氏と、ホンダの八郷隆弘氏

 ホンダと日立オートモティブシステムズは2017年2月7日、東京都内で会見を開き、電動車向けモーターを開発、生産、販売する合弁会社を設立すると発表した。ホンダはこれまで駆動用モーターを自前で開発、生産してきたが、1社単独での量産効果で競争力を高めるのが難しくなっていた。

 生産開始時期など詳細は協議中だが、開発は日本で、生産と販売は日米中の3カ所で行う。ホンダは自社のモーター生産ラインは維持する。ホンダ 社長の八郷隆弘氏は「ホンダ以外でも、関心のある納入先なら積極的に外販したい」と述べた。

日米中のモーターを合弁会社で

新会社は日本だけでなく米国や中国での生産も計画している
新会社は日本だけでなく米国や中国での生産も計画している

 新会社は2017年7月に設立予定で、日立オートモティブシステムズの佐和事業所のある茨城県ひたちなか市を所在地とする。資本金は50億円で日立オートモティブシステムズが51%、ホンダが49%を出資する。日立オートモティブシステムズは従来通りのモーターの供給は維持する。

 新会社設立後は「電動車の需要拡大が特に見込まれる」(八郷氏)という米国と中国にも生産拠点を設ける。生産拠点の候補は、米国では日立オートモティブシステムズのケンタッキー工場を、中国は両社の拠点がある広州を検討している。合弁会社で手掛けるモーターを搭載する車種は、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車を対象とする。

 燃料電池車に関してはGeneral Motors(GM)と協業しているため除外しているが、日立オートモティブシステムズはGMと電動車向けモーターで取引実績がある。GMのシボレーブランド「ボルト」向けに発電用と駆動用のモーターを納入しており、2011年発表の初代モデルと2016年発表の2代目で続けて採用された。モーターのコイルの成形技術や磁石の挿入工程などで生産効率を大幅に改善したことがGMに評価されたとしている。

設備投資が大きくなるモーターだから組む

自動車の電動化に不可欠なモーターの競争力を高める
自動車の電動化に不可欠なモーターの競争力を高める

 両社は、生産ラインへの投資が大きくなるモーターが対象だったことで合弁会社の設立に至った。「モーターは設備投資産業で(生産を拡大するには)中長期のロードマップが必要だ。そこにホンダからの声掛けがあった」(日立オートモティブシステムズ 社長の関秀明氏)。

 ホンダは2030年までにプラグインハイブリッド車やハイブリッド車、燃料電池車、電気自動車の販売比率を7割弱まで引き上げる計画だ。販売台数のうち、50%以上をプラグインハイブリッド車とハイブリッド車が、燃料電池車と電気自動車が15%程度を占めると見込む。当面はプラグインハイブリッド車をコア技術と位置付け、将来的に燃料電池車と電気自動車に資源を集中させていく。

 注力市場はパワートレインごとに分かれ、燃料電池車とプラグインハイブリッド車は日本と北米、ハイブリッド車は日本/中国/北米となる想定だ。

 ホンダは「世界初」(同社)の重希土類不使用の駆動用モーターを開発するなど、モーターの新しい技術や生産技術に強みがあると自認してきた。しかし単独では量産効果を十分に出すのが難しかったという。

 ホンダが自前で開発してきたモーターをベースに、両社の知見を反映させ、日立オートモティブシステムズが得意の量産技術で競争力を高める考えだ。

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