アウディ「A3」は「A4」「Q7」と同じ運転支援機能を搭載、全面液晶のメーターも:安全システム
アウディジャパンは、コンパクトカーの「A3」「S3」を一部改良して発売した。自動ブレーキやアダプティブクルーズコントロールを標準装備とした他、車線維持支援機能や車線変更時の警告機能、渋滞時に再発進まで自動で行う追従機能をオプションとして設定した。
アウディジャパンは2017年1月26日、コンパクトカーの「A3」「S3」を一部改良して発売した。自動ブレーキやアダプティブクルーズコントロールを標準装備とした他、車線維持支援機能や車線変更時の警告機能、渋滞時に再発進まで自動で行う「トラフィックジャムアシスト」をオプションとして設定。S3では、対向車や前走車の位置に合わせてLEDヘッドランプを部分的に消灯する「マトリクスLEDヘッドライト」も選択可能だ。
コンパクトカーでありながら、同社の上級車種と同じ装備を盛り込んでいる。車両価格はA3 スポーツバックが293万円から、A3 セダンが311万円から。四輪駆動のquattroモデルには、独自の燃焼方式「Bサイクル」を採用した新開発のエンジンを設定する。
「コンパクトクラスでは初採用」
A3の運転支援機能はこれまで、アダプティブクルーズコントロールと自動ブレーキがオプション設定となっていた。今回の一部改良では、これらを全モデルで標準装備とし、「セーフティパッケージ」として選択可能な機能も増やした。セーフティパッケージは、税込み13万円で6つの機能を組み合わせている。
パッケージのうち「コンパクトクラスでは初採用」(アウディジャパン)としている機能が幾つかある。車線維持支援機能の「アクティブレーンアシスト」は、方向指示器を使用していない場合に車線を逸脱しそうになると警告を発し、ステアリングの操作にも介入して車線を維持する。
レーダーとカメラによって後方と側方を監視し車線変更時の危険を知らせる「サイドアシスト」や、アダプティブクルーズコントロールの機能を拡張したトラフィックジャムアシストもパッケージに含まれている。
アダプティブクルーズコントロールは時速0〜250kmの範囲で設定した速度を保ち、前走車との車間距離を自動で調整して追従する機能。トラフィックジャムアシストは、渋滞で時速0〜65kmで走行する条件下で車間距離を適切に保ちながら、停車と停車後3秒以内の再発進まで自動で行う。また、路肩の規制などで車線が狭くなった場合は車線や前走車の動きからシステムが走行経路を判断しながらステアリング操作をアシストする。
トラフィックジャムアシストは「A4」「Q7」のセットオプションだが、一部グレードで標準装備となっている。
S3のみとなるが、2014年に発売したフラッグシップセダン「A8」に採用したマトリクスLEDヘッドライトを設定する。オプション価格は11万円。ハイビーム使用時に前方を監視するカメラが車両を検知すると、必要に応じてLEDを個別に消灯することで対向車や先行車を幻惑するのを防ぐ。
全面液晶のメータークラスタも
A4やQ7、スポーツカー「TT」に設定した全面液晶のメータークラスタもA3/S3にオプションで設定する。12.3インチの高輝度液晶モニターを使用しており、速度表示やタコメーターと一緒に、車両の情報やナビゲーション画面を表示できる。NVIDIAのグラフィックプロセッサーを採用している。
2017年は新型コンパクトSUVとレベル3の自動運転が登場
2017年、アウディジャパンはコンパクトSUVの新モデル「Q2」や、「A5」「Q5」、プラグインハイブリッドの「Q7 e-tron」などの新型車を投入する。「世界で初めて」(同社)となるレベル3の自動運転機能も製品化して「A8」の新モデルに搭載する予定だ。車線変更もシステムが状況を判断して自動で行うとみられる。
ドイツ本国では、自動車線変更に対応した高速道路での自動運転と、高速道路出口近くの目的地まで一般道を自動運転で走行する「ラストワンマイル」の自動運転を組み合わせた走行実験を行っているという。
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