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アウディの自動運転車とサーキットで対決、人間のドライバーは勝てるのか自動運転技術(1/3 ページ)

アウディが米国カリフォルニア州のソノマ・レースウェイで自動運転車の体験試乗会を開催。アウディの「RS7」ベースの自動運転車「ロビー」と、かつて自動車レースで腕を鳴らした筆者が運転するRS7で、どちらが早く周回できるかで対決した。果たしてその結果は!? ロビーの自動運転の仕組みなどについても紹介する。

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最新型の自動運転車をそろえた試乗会

 ドイツの自動車メーカーAudi(アウディ)が、2015年7月6日から6日間(米国時間)、米国カリフォルニア州内のサーキットで自動運転車の体験試乗会を行った。

 サンフランシスコ市街から北へクルマで約1時間。カリフォルニアワインの生産地として名高いナパバレー。その丘陵地帯の一角に、ソノマ・レースウェイがある。高低差がある1周約4kmのコースに11のコーナーを持つ。インディカーシリーズやNASCARスプリントカップシリーズなど、全米で人気の自動車レースの開催場所としても有名だ。

 またここには、アウディの米国法人アウディUSAが2007年9月に開業した「アウディ・スポーツカー・エクスペリエンス」が併設されている。アウディのオーナー向けのドライビングスクールなどを定期的に実施している。

 こうした環境に、アウディとしても初めて自動運転車を持ち込んだ。試乗会に参加したのは米国、カナダ、ブラジル、韓国、そして日本のジャーナリスト。また米国内の政府関係者やシリコンバレー周辺のIT企業関係者も参加した。

アウディがソノマ・レースウェイに持ち込んだ自動運転車
アウディがソノマ・レースウェイに持ち込んだ自動運転車。手前にあるのが「ロビー」で奥にあるのが「ボビー」(クリックで拡大)

アウディにおける自動運転の歴史

 アウディの母体であるVolkswagen(フォルクスワーゲン)グループは、DARPA(国防総省・先端技術計画局)が2000年代に企画運営したロボットカーのレース「DARPAグランドチャレンジ」と「DARPAアーバンチャレンジ」に参加しており、スタンフォード大学と共同で技術開発を行った。その後、スタンフォード大学内に、自動車メーカーや自動車部品メーカー各社で構成する次世代自動車開発コンソーシアム「CARS(Center for Automotive Research at Stanford)」と母屋を共有するかたちで、同大学と連携した自動運転技術の開発を進めてきた。

 そうした中、2009年に2ドアスポーツカーのアウディ「TT」ベースの車両を開発。最高速度への挑戦場として知られる、ユタ州ソルトレイク市にある塩岩石が蓄積した広大なエリアで無人走行試験を行った。翌2010年には、同車両をコロラド州の高地ワインディングロード・パイクスピークに持ち込み、標高4000mを越える頂上までの無人走行を成功させた。

アウディの自動運転開発の歴史
アウディの自動運転開発の歴史(クリックで拡大) 出典:アウディ

 そして2014年には、スポーティ5ドアモデル「RS7」をベース車としたサーキット走行向けの自動走行車を開発した。往年のアメリカ人レーサー、ボビー・アンサーにちなんでニックネームを「ボビー」とした。

 同年10月には、F1やスポーツカーレースのDTM(ドイツツーリングカー選手権)が開催されるホッケンハイムサーキットを使用してボビーの無人走行を行った。その模様はYouTubeを通じて世界に配信され、その走行速度の速さに世界中から驚きの声が上がった。

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「ボビー」がホッケンハイムサーキットで無人走行する様子(クリックで再生)

 また公道での自動運転試験については、2013年にネバダ州、2014年にはカリフォルニア州とフロリダ州で自動運転車を走行させる許可を得ている。こちらでは5ドアの量産車である「A7」がベース車となっており、ニックネームは「ジャック」という。

 ジャックは、2015年1月にネバダ州ラスベガスで開催された、世界最大の消費者向けエレクトロニクス展示会「2015 International CES」で一般公開された。ジャックはトレーラーなどに積み込まれて展示会に運び込まれたわけではない。シリコンバレーのベルモント市にあるフォルクスワーゲングループの北米技術研究所・ERL(エレクトロニクス・リサーチ・ラボ)から、途中ベーカーズフィールド市での1泊を経て、会場のラスベガスまでやってきたのだ。2日間合計で10時間、約906kmの行程を自動運転で走破している。

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