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インドに残る混沌と、次第に浸透する欧米流ライフスタイル新興国自動車事情(5)(2/4 ページ)

インドの首都デリーは、大ざっぱに捉えると2つに分けることができます。昔からの市街地オールドデリー、そして行政機能を持ちビジネス街としても整備されたニューデリーです。その境界近くは、昔ながらの雰囲気と近代的なモータリゼーションが混在する、不思議な感覚に満ちていました。

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無彩色のコンパクトカーが目立つ独特の風景

 デリー市内のビジネス中心地であり、また有数の繁華街でもあるコンノートプレイスでは、通勤者や買い物客の乗用車で溢れんばかりでした。見かける車両のほとんどは、全長を4m以下に抑えたコンパクトカー。デリー市内あるいは近郊に居住できる比較的余裕のある中間層でも、マイカーを購入する際には税金が安いほうを選択するようです。マルチスズキとヒュンダイの車種を多く見かけるのは、インドでのシェアをそのまま反映しているかのようです。

コンノートプレイスの駐車スペースは、白いコンパクトカーで埋め尽くされる(クリックして拡大)

 驚かされるのは車体色の嗜好です。どこを見渡しても、ホワイトかシルバーという明るい無彩色ばかり。「乗用車の車体色は台数の7割前後が無彩色」というのは先進国や新興国を問わず、あらゆる国に共通した傾向です。しかし、デリーではブラックや濃いグレーが少ないこともあり、ここまで白っぽい光景は他に見たことがありません。

 大型のMPVやSUVも時々見かけますが、そうした車種を購入するのは富裕層が多いためか、アクセサリーパーツを装着している例が多いように感じられました。

SUVのベストセラー、マヒンドラXUV500(写真手前)。これが大ヒットし、マヒンドラは乗用車市場での存在感を大きく高めている
SUVのベストセラー、マヒンドラXUV500(写真手前)。これが大ヒットし、マヒンドラは乗用車市場での存在感を大きく高めている(クリックして拡大)

 クルマの溢れるコンノートプレイスですが、大衆の移動手段としてはまだまだ二輪車が主流です。ちょっとした空間があれば、すぐさま駐輪料金を稼ぐために駐輪場として使われることになります。ちなみに近年はスクーターの比率が急上昇。またデリーではさほど見かけませんが、地方部では女性ユーザーも増えてきているようです。

二輪車の駐輪スペースはどこもぎっしりと埋まる。他の新興国と同様に、次第にスクーターの比率が高まってきている(左、中央)。モーターサイクルに見られるインド特有の装備が、通称「サリーガード」と呼ばれるアクセサリー。インドでは後席に女性が座るときは、身体を左側に向ける横座りが普通。このとき足置きにしつつ、着衣のサリーが後輪に巻き込まれるのを防止するための用品だ(右)(クリックして拡大)

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