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トヨタはなぜカンパニー制を導入したのか、キーマンインタビューで知る製造業IoT:製造マネジメント 年間ランキング2016(2/2 ページ)
2016年に公開したMONOist製造マネジメントフォーラムの記事をランキング形式で振り返る。1位と2位には、トヨタ自動車のカンパニー制導入に関する記事が入った。
ベスト3圏外で注目の記事を紹介
ベスト3に入らなかった中から、(編集担当にとって)興味深い記事を2本紹介しましょう。
1本目は、第9位に入った「アルプス電気はIoTで新規顧客と向き合うため“全てを捨てた”」です。
2016年は「製造業にとってIoT活用は最重要課題である」という意識が浸透した年と言っていいかもしれません。ただし「IoTを使って新たにもうけの種をつくる」ことは、「いいモノを作っていれば売れる」という意識の強い国内製造業にとって至難の業です。
IoTに最適な「センサーネットワークモジュール」を開発したアルプス電気ですが、これをビジネスとつなげるのには大変な苦労がありました。本記事は、その取り組みについての講演レポートとなっています。
2本目は、2016年4月から始まった人気連載「鈴村道場」から、『その改善はトヨタ生産方式の「本質」を外している』です。
2016年の記事ランキングで1位と2位に入ったことからも分かる通り、日本を代表する製造業としてトヨタ自動車の動向は常に注目を集めています。そしてその強さを支える大きな要素といわれているのが「トヨタ生産方式」です。
解説書も多く出版されているトヨタ生産方式ですが、その「本質」をよりシンプルに捉えるために始めたのがこの連載です。2017年1月には、最新の第5回記事が掲載されますのでご期待ください。
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