初代Wildfire以来のGUI大改良と、IoTや3Dプリンタなど最新テクノロジーとの連携強化に注目――Creo 4.0:CADニュース
PTCは同社3D設計ツール新製品「Creo 4.0」を発表。記者発表会では「Wildfire 1.0」以来になるという大幅な操作性改善や、幾何公差記入サポート機能の追加、3Dプリンティング出力機能などについて説明した。
PTCジャパンは2016年12月1日、同社3D設計ツール新製品「Creo 4.0」(同年11月16日発表)に関する記者発表会を開催し、注目の新機能について説明した。
Creo 4.0では「Pro/ENGINEER Wildfire 1.0」以来になるという大幅な操作性改善を実施。「ミニツールバー」という新機能では、作業するジオメトリ(エッジや面など)を選択するだけで、その作業に関係ある機能アイコンを自動的にリストアップした小窓をジオメトリ付近に表示する。
そこに何をリストアップするかは、ユーザーがカスタマイズすることが可能だ。カスタマイズ画面の中にある機能の候補を選び、ミニツールバーにドラッグアンドドロップで放り込むと追加される。カスタマイズ画面の中には検索窓も備えているので、使いたい機能に関するワードから機能を探して追加することが可能だ。
この機能により、従来は任意の機能を使うために何クリックもしていたところ、2クリックで機能が実行できる。また、この機能があることで、モデルを拡大表示しながらの作業がしやすくなる。従来は、コマンドを引き出したい場合は、いったん画面を引いて、画面の淵に表示されているツールバーを出さなければならなかった。
また幾何公差記入のためのサポート機能「GD&T Advisor」を追加。ジオメトリを選びながら、アセンブリ拘束を追加するような感覚で、3Dデータに直接幾何公差を付けていくことが可能だ。
こちらはPTCが協業しているSigmetrix社の技術を利用している。GD&T Advisorでは、ジオメトリを選択すると、そのジオメトリに関連する公差の幾つかを提案し、その中から推奨する公差も指示する。公差指定の足りない寸法や、エラーのある公差指示についても、モデルツリー内で知らせてくれる。GD&T Advisorで追加した幾何公差は2D図面を描く際にも利用できる。
さらにCreo 4.0では、3Dプリンティングのためのデータの解析・修正から出力まで、ひとつながりで処理する機能を追加した。金属部品を軽量化するためのラティス(格子)構造を、最適化解析で導き出す機能も加えた(関連記事:「Creo 4.0」は3Dプリンタ対応を強化、内部格子形状の構造最適化機能を搭載」)。こちらのデータも積層造形に活用することが可能だ。3Dプリンティング連携機能は、3Dプリンタ開発・製造の大手、Stratasys、3D Systemsとパートナーシップを組んで提供する。
他、Creo 4.0はレンダリングオプション「Luxion Keyshot」の完全統合、IoTプラットフォーム「ThingWorx」との接続、PTCのAR向けシステム「ThingWorx Studio」に直接データを出力する機能などで、他のPTC製品との連携を強めたことも特長として挙がった。ThingWorx Studioへの出力機能については、2017年3月のリリースを予定する(関連記事:「3Dプリンタ、IoT、ARとトレンド技術を積極活用して3D設計――「Creo 4.0」」)。
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