3Dプリンタ、IoT、ARとトレンド技術を積極活用して3D設計――「Creo 4.0」:CADニュース
PTCは3D設計システムの新製品「Creo 4.0」を発表。3Dプリンタと直接接続して出力する機能、IoTプラットフォーム連携、ARデータ出力などに対応した。
PTCは2016年11月16日、3D設計システムの新製品「Creo 4.0」を発表、国内で販売開始した。3Dプリンタと直接接続して出力する機能、IoTプラットフォーム連携、AR(拡張現実)データ出力などに対応した。
同製品では、モデリングした部品をポリゴン変換してCreoから直接3Dプリンタに送って出力できる機能を追加した。ラティス(格子)形状を作成し最適化する機能も備える。従来、3D CADから3Dプリンティングするまでの過程で複数のソフトウェアを使って処理しなければならなかったが、同製品ではそのプロセスを1ソフトウェアにまとめ簡素化した。同機能は、Stratasys、3D Systemsなど大手3Dプリンタメーカーの装置が対応している。
今回、幾何公差を付与する機能も使いやすく改善した。部品に対して規格に準じた幾何公差を設定できるようサポートする「GD&T Advisor」も追加し、正確な幾何公差の設定をサポートする。中間ファイルには、PMI(製造情報)の寸法や注記の情報が維持可能な「セマンティックPMI」が適用できる。
ユーザーの使用頻度が高い機能にすぐアクセスできるようUIも改良した。また板金設計においても「Flexible Modeling」(ダイレクトモデリング)が利用可能だ。
Creo 4.0は「デジタルツイン」と呼ばれる、IoTプラットフォームで収集した製品のリアルな情報をデジタルデータにそのままコピーする技術を適用できる。同社のIoTプラットフォーム「ThingWorx」に接続でき、実際の製品からのデータを設計や検証で活用することが可能だ。そこからセンサーの情報も取得して、3D CAD上で最適化を検討することも可能だ。
同社のAR向けシステム「ThingWorx Studio(旧 Vuforia Studio)」に直接データを出力する機能も追加し、AR化の作業を簡素化できるとしている。VRにおいて、知的財産やノウハウが絡む部分を表示しないようコントロールする機能も備える。
なお同製品は、PTCジャパンが2016年12月1日にベルサール新宿グランド(新宿区西新宿)で開催する年次イベント「PTC Forum Japan 2016 〜IoT時代のモノの新しい見方がわかる!〜」の会場で紹介とデモを披露する予定だ。
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