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ダイハツ「スマートアシスト」がデンソー製ステレオカメラ採用、スズキに対抗へ安全システム(2/2 ページ)

ダイハツ工業が衝突回避支援システム「スマートアシスト」の改良版となる「スマートアシストIII」にステレオカメラを採用する。これまではレーザーレーダーと単眼カメラの組み合わせだった。歩行者対応の自動ブレーキが実現するなど、性能向上を図っている。

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デンソー製の世界最小ステレオカメラ

 スマートアシスト3のステレオカメラは、デンソーがサプライヤだ。左右のカメラの間隔は80mmで、ステレオカメラとしては「世界最小」(ダイハツ工業)としている。

デンソーのステカメスズキのステカメスバルのステカメ ステレオカメラの外観の比較。左からダイハツ工業、中央がスズキ、左が富士重工業(クリックして拡大) 出典:ダイハツ工業、スズキ、富士重工業

 軽自動車でのステレオカメラ採用は、スズキが先行している。スズキもスマートアシスト2と同様にレーザーレーダーを使ったシステム「レーダーブレーキサポート」を搭載してきたが、2015年5月からステレオカメラを搭載する運転支援システム「デュアルカメラブレーキサポート」の展開を始めた。なお、ダイハツ工業がスマートアシスト2を廃止するのに対し、レーダーブレーキサポートの設定は存続している。

 スズキが使うステレオカメラのサプライヤは、富士重工業の「EyeSight(アイサイト)」のステレオカメラも手掛けている日立オートモティブシステムズだ。同社は、軽自動車や小型車にも搭載可能なステレオカメラが求められていることに対応し、2つのカメラの間隔を同社の従来製品と比較して2分の1に縮小。搭載性を高めたことにより、スズキでの採用に至った。

小型化が性能に与える影響は?

 スズキが採用しているステレオカメラは軽自動車/登録車ともに、2つのカメラの間隔が160mmだ。デンソーはこれよりもさらに小型化を図ったステレオカメラを市場投入してきたことになる。ステレオカメラはカメラ間の距離が大きくなるほど左右方向や上下方向の位置ずれが大きくなり正確な検知が難しくなるが、測定範囲は広くなる。カメラ間の距離だけでは運転支援システムとしての優位性は出ない。

 性能を比較すると、スズキのデュアルカメラブレーキサポートは、走行速度が時速100kmまで衝突被害の軽減や回避支援が可能だが、ダイハツのスマートアシスト3は対車両で時速80kmまでだ。反対に、歩行者に対して衝突回避が可能な速度は、デュアルカメラブレーキサポートが時速30kmまでとなっているが、スマートアシスト3は時速50kmまで対応する。

富士重工業のアイサイトの性能。バージョン2から3で進化している。低コストに重点を置くスズキやダイハツ工業のシステムとは差が大きい
富士重工業のアイサイトの性能。バージョン2から3で進化している。低コストに重点を置くスズキやダイハツ工業のシステムとは差が大きい(クリックして拡大)

 スズキもダイハツ工業もコスト低減を重視していることから、ステアリングの制御と連動しなければならないレーンキープアシストや危機回避アシスト、加速の制御も関わるクルーズコントロールには対応していない。

 ステレオカメラのみをセンサーとする運転支援システムが、軽自動車や小型車でさらに増えていきそうだ。メーカーごとの性能が比較される自動車アセスメントの結果に注目が集まる。

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