多関節型搬送路用ロボットで高精度をアピール――日本トムソン:JIMTOF2016
IKOブランドで製品展開する日本トムソンは「第28回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2016)」(2016年11月17〜22日、東京ビッグサイト)において、ニードルベアリング、直動案内機器およびメカトロの主力製品、新製品を出展した。
IKOブランドで製品展開する日本トムソンは「第28回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2016)」(2016年11月17〜22日、東京ビッグサイト)において、ニードルベアリング、直動案内機器およびメカトロの主力製品、新製品を出展した。また、走行振れ測定器「MXDL35マスターグレード(ローラタイプ)」、同社のクロスローラベアリングを搭載した水平多関節型搬送用ロボットのデモ機を展示し、精度などを紹介した。
「MXDL35マスターグレード」は軌道面に特殊な加工を施すことで走行時の微小な振れを抑制し、標準の超ロングユニットに対して脈動を約50%低減する。この低脈動は高精度で高品位な加工により実現したもので、超精密加工機の軸案内などの用途に適している。また、超ロングユニットのため、機械装置の負荷容量向上と剛性向上に大きく貢献するとともに高精度な走行性能を発揮する。
水平多関節型搬送用ロボットには同社の4種類のクロスローラベアリングが用いられている。薄型クロスローラベアリング(CRBS)は内径に対して外形が極めて小さく、幅寸法も小さいコンパクトな軸受。保持器付きおよびセパレータ付きは、回転が円滑で回転速度が比較的高いところにも適している。
高剛性クロスローラベアリング(CRBH)は内外輪ともに一体構造(非分割)のため、取付誤差なども発生しにくく、高精度・高剛性が特徴。また、“ころ”と“ころ”の間にセパレータを組み込んでいるため、回転が円滑で回転速度が比較的高いところにも適している。
高剛性取付穴付きクロスローラベアリング(CRBF)は内外輪ともに一体構造(非分割)で、内外輪に取付穴があり容易に装置へ取り付けることができる。さらに、ハウジングや押さえ板などの周辺構造の影響を受けにくく、高剛性で高精度な案内を実現する。超薄型クロスローラベアリング(CRBT)はモーメント・複合荷重に強いクロスローラベアリングの中でも幅わずか5mmとローラタイプで世界最軽量を誇る。徹底的に軽量化を追求した超薄形コンパクトサイズで、装置の省スペース化を実現する。
この他、製品コーナーでは主力商品のメカトロシリーズや新製品の「Cループメンテナンスフリーシリーズ」などを展示した。メカトロシリーズは、精密加工技術とエレクトロニクスの融合により生まれた製品である。ベッドとスライドテーブルの間に直動シリーズとボールねじやモータを組み込んだ精密位置決めテーブルは、TU、TX、TE、TZなどモジュールタイプから高精密タイプまで幅広いラインアップをそろえている。半導体製造装置やフラットパネルディスプレイ製造装置、各種精密機器などの位置決め機構として、幅広い分野で用いられている。位置決めテーブルや制御用の電装装置まで一括して提供することにより、設計や組立工数などの削減に貢献する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 動力を断続するクラッチは回転してアッチッチ
運転ビギナーを悩ませるクラッチには、超過酷な動作に耐えるための工夫がたくさんだ。機能と耐久性、どちらも譲れないぞ。 - 「含油軸受」が地球を救う!?――ポーライト
日本の“オンリーワンなモノづくり技術”にフォーカスしていく新連載がスタート。独自技術やニッチ市場に注力することで高い世界シェア/収益性を確保している企業をテクノロジーの視点で紹介していく。第1回は焼結含油軸受で世界トップシェアのポーライトだ。 - 従来比1.3倍の高速回転に対応した深溝玉軸受を開発
ジェイテクトは、樹脂保持器の形状を工夫することで、従来比1.3倍の高速回転対応を可能にした深溝玉軸受を開発した。軸受の保持器を従来の片持ちタイプから両持ちタイプに変更し、遠心力による変形を抑えた。 - ファナックがIoT基盤の壮大な実演、JIMTOFで80社250台の工作機械を見える化
ファナックは「JIMTOF2016」において、同社が展開する工場用IoT基盤「FIELD system」の壮大な実演を行った。同システムによりJIMTOFに出展した機械メーカー80社、250台の工作機械をつなぎ、稼働状況の見える化を実現した。 - 金属3Dプリンタ付き複合加工機で主導権を狙うヤマザキマザック、4方式で存在感
ヤマザキマザックは「JIMTOF2016」において、金属3Dプリンタ付き複合加工機(ハイブリッド複合加工機)のラインアップを大幅に拡充。国産技術「マルチレーザー式金属積層技術」を採用したモデルや、ワイヤアーク式金属積層造形技術を採用したモデルなどをラインアップに加え4方式により“足し引き”を実現する。 - 金属3Dプリンタ付き複合加工機「既に方式を検討する段階は終わっている」
DMG森精機は「JIMTOF2016」において、金属3Dプリンタと旋盤加工を組み合わせたハイブリッド金属複合加工機「LASERTEC 4300 3D」を出展。JIMTOF2016では多くの企業が金属3Dプリンタ付き複合加工機を出展したが、同社取締役社長の森雅彦氏は「方式をどうこうする段階は終わっている」と考えを述べている。