PC上の「Grbl Controller」からステッピングモーターを操る:Arduinoで学ぶ基礎からのモーター制御(12)(3/3 ページ)
今回は、ファームウェアウェア「Grbl」とペアになって動くPCソフトウェア「Grbl Controller」を使って、ステッピングモーターを制御していきます。また、記事後半ではG-CODEのプログラミングにも挑戦します。
G-CODEで動かしてみる
次にG-CODEをファイルとして納めたものをGrbl Controllerでまとめて実行させてみましょう。
テキストエディタで以下の文字列を打ち込んでhello.ncとして保存します。
CAD/CAMが導入されている現場ではCADで製図したものをG-CODEファイルに変換してNCに読み込ませ工作機械を動かします。
% g01 x 10 g01 x -10 g01 x 10 g01 x -10 g01 x 10 g01 x -10 g01 x 10 g01 x -10 g01 x 10 g01 x -10 %
これをGlbr Controllerで読み込ませて直動機構を動作させます。
G01 X 10と G01 X - 10を5回繰り返しています。20mmのストロークでステージが5往復する動作になります。実はG-CODEには条件分岐や繰り返しなどの制御構造もありますが、今回はNCのhello world!ということで単純なコードにしました。ファイルの先頭と末尾の“%”は必須のようです。G-CODEについてはインターネット上にさまざまな参考になるサイトがありますので参考にしてみてください。
では早速Grbl Controllerに読み込ませてみましょう。
[Choose file]ボタンをクリックして先ほど保存したファイルを指定します。ファイルの読み込みが完了したら[Begin]ボタンをクリックしてGbrlファームが動作しているArduinoに送ります。すると直動装置がプログラム通り動作しはじめます。
おわりに
5回にわたってステッピングモーターの基本動作からG-CODEのさわりまでお話してきました。皆さんの頭の中でこれらの一連の流れがイメージできるようになったでしょうか。そうであれば私の意図した通りの記事になっていたということで、大変うれしく思います。
なお、今回、第12回をもちまして、本連載は一区切りとさせていただきます。12回にわたり、ご愛読、誠にありがとうございました。(連載完)
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