地味にスゴイ! プリント基板の実装品質を左右するメタルマスク:ママさん設計者の「モノづくり放浪記」(6)(7/9 ページ)
ファブレスメーカーのママさん設計者が、機械系モノづくりの“生”現場を渡り歩き、ありとあらゆる加工の世界を分かりやすく解説していく連載。今回紹介するのは高密度実装基板用のメタルマスクの製作を得意とするイトウプリント。部品実装の品質を大きく左右するメタルマスクの製作工程を見ていく。
現像処理
次いで、不要なドライフィルムを除去してマスキングを完成するために現像処理します。
これでマスキングの完成です。紫の部分にはドライフィルムが残っているのでエッチングされないことがお分かりいただけますね。
いよいよエッチング処理
いよいよエッチング装置に材料が入ります。エッチング液は金属を腐食させる強酸性の塩化第二鉄ですから、毎日清掃しても、装置とその周辺はどうしても汚れてしまいます。このフロアにはバリ取り用の電解研磨の設備もあり、特に薬品が多い現場なので5Sは徹底されているようでした。
暗くて見づらいですが、この中に材料を縦置きにセットします。エッチング装置には縦置き型と水平型がありますが、縦置き型の利点は、運転中に装置の中で材料を動かしながら液を満遍なく吹きかけるため、水平型と比較してエッチング量の差が出にくく均一な仕上がりになることです。
数分ほど塩化第二鉄のシャワーを浴びせエッチング終了。直ちに材料を取り出します。
滴りおちるエッチング液が、模様を浮き彫りにしていますね。
この後、材料表面に残留しているドライフィルムを取り除き、洗浄を行い乾燥させて工程終了となります。
裏返してみると、エッチングされた部分の板厚が薄くなっていることがよく分かります。このサンプルは片面ハーフエッチングですが、両面ハーフエッチングももちろんできます。
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