ドライバーの好みを人工知能で学習する車載情報機器を開発、GMとIBM:車載情報機器
General MotorsとIBMは、車載情報機器プラットフォーム「OnStar」の次世代版となる「OnStar Go」を共同開発する。人工知能「Watson」がドライバーの嗜好を機械学習で処理し、判断や習慣をパターン化してきめ細かいサービスを実現していく。
General Motors(GM)とIBMは2016年10月16日(現地時間)、車載情報機器プラットフォーム「OnStar」の次世代版となる「OnStar Go」を共同開発すると発表した。具体的には、人工知能「Watson」がドライバーの嗜好を機械学習で処理し、判断や習慣をパターン化する。次世代OnStarの開発に参加する企業は、ドライバー向けのリアルタイムなサービスを構築可能になる。すでに5社が参加を表明しており、2017年中の製品化を計画している。
すでに5社が参加表明
OnStarの車両コネクティビティとIBM Watson API(Application Program Interface)のデータ活用能力の組み合わせにより、無駄のないオペレーションと高い安全性を両立する。
具体的なサービスとしては、燃料の減少を感知した場合に交通渋滞を考慮したルートでガソリンスタンドへ誘導し、燃料ポンプを作動させてガソリンを補充。その支払いをダッシュボードで行い、そのダッシュボードでコーヒーをオーダーする……といったものを想定している。また、ドライバーはサービスはリアルタイムの位置情報から個別にカスタマイズされる。
IBMおよびOnStarと協力するブランドは、個々の位置情報をベースに、ターゲットに直接的に影響を与える情報を届けることが可能になる。小売り、燃料、接客、メディア、エンターテインメント、レストラン、旅行などの企業は、OnStar Goを利用することで、個人の嗜好にあわせた車内のモバイル体験を構築することができる。
OnStar Goを通じて各種ブランドがWatsonを活用する消費者体験を設計できるようになる。このプラットフォームに初期から加入する企業は、ExxonMobil、Glympse、iHeartRadio、Mastercard、Parkopediaの5社。
ExxonMobilは、ドライバーが素早くExxon、Mobil、Essoのガソリンスタンドを見つけられるようにし、それぞれの車両に最もふさわしい燃料とオイルを提案。車内からの代金の支払いを可能にする。消費者は洗車の支払いをすることもでき、燃料が少ない場合は車両から離れていても、通知を受けることができる。
Glympseは位置情報技術のパートナーとして、カスタマイズされたリアルタイムの位置情報を、消費者および企業が機器の種類に関わらず、誰とでも共有し、管理できるようにする。iHeartRadioは、Watson insightを使用しOnStar Goから得た情報をもとに、米国内のラジオ局から、放送パーソナリティーやローカルなコンテンツなど個人の嗜好にあうエンターテインメントを選択して勧める。
Mastercardはドライバーと乗員が、各種支払いを安全かつスムーズに、快適な車内から済ませられるようにする。Parkopediaは、駐車場の営業時間や最新の料金などの情報を提供する。ドライバーはボタン1つで駐車スポットを見つけ、予約と支払いを終えることができる。
なお、現行のOnStarは2016年末までに1200万台に搭載される見通しだ。
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